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三雲修の双子姉に転生

それを思い出したのは二歳の頃。
交通事故にあった時のことだ。
交通事故、と言っても軽く車にぶつかっただけのことだが、こちらの体が小さかったこと、当たりどころが悪く意識不明になったこと、いろいろな不運が重なり一週間の入院を余儀なくされた。

俺が目を覚ましたのは事故から三日後のこと。

涙ながらに俺の無事に安堵する弟や両親。

三人を安心させたくて笑顔を作ろうとするが、そんな余裕がないほど俺は混乱していた。

ーー忍術学園

ーー忍たま

ーー六年は組

ーー用具委員会委員長

ーーーー食満留三郎

それは俺の前世の名前だった。
眠っていた三日間。俺は前世を思い出していた。
なぜ思い出したのか。それはわからない。頭を打ったことに関係しているのだろうか?
しかし当時の俺は心身共に幼く、それを受け入れられるほど成熟していなかった。
だから目覚めた直後はとにかく不安で、でも何が不安なのかも言葉にできず、心に途轍もなく大きな重石を乗せられたかのようで…押し潰されそうだった。
押し潰されそうな恐怖から泣いて泣いて涙が枯れるほど泣いて、周りを困らせた。
でも重石は涙と一緒に落ちてくれることはなく、それがより一層俺を焦らせた。
両親は度々前触れもなく目から大粒の涙を流す俺にほとほと参っていたようだが、それでも俺を見捨てることはなかった。
事故から変わった我が子を、不気味がらず、変わらず愛してくれた。
弟も変わらず傍にいてくれた。
泣いた時、安心させたいのかずっと手を握ってくれていた。
その温もりに俺がどれだけ救われていたか、弟は知らないだろう。

家族に支えられ、事故から一年後、俺は漸く前世と折り合いをつけ落ち着くことができた。
もう俺に重石が乗ることはないだろう。
俺には俺を支えてくれる家族がいるから。
彼らがいる限り俺は大丈夫だ。


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