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~原作前

俺には修という弟がいる。双子の弟だ。
二卵性双生児なため似ていないが、目に入れても痛くないほど可愛い可愛い自慢の弟。
俺の後ろを「トメ、トメ」とちょこちょこと付いてくる弟は控えに言って可愛い。愛しさしかない。

「トメ、トメ、どこいくの?」
「うん?ちょっとな〜…。」
「オサムもいく!」
「えー…。いや、それがなぁ。」

しかし、常に付いてこようとするため、最近では少々困っている。
記憶が戻った当初はそれに安心感を覚えていたが。
落ち着いた今、正直鍛錬がしたい。
齢三歳の女児が鍛錬。
なかなかの異色の組み合わせな言葉だが、前世勝負と鍛錬が大好きだった身としては、そろそろ禁断症状が出そうだ。
勝負は難しくても鍛錬ならできる。
それに鍛錬はいい。
鍛錬をすればするほど強くなる。
強くなれば守りたいものを守れる。
修達を守れる。
だから鍛錬をしたいのだが…流石に修の目の前でするのは気が引けるし、興味ないだろう。

「…ダメ…?」
「ぅぐっ…!」

可愛い。
目をうるうるさせ、どうしても付いていきたいと主張する姿に揺らぎそうになる。
可愛い。けど、さすがに…。いやでも…。

「オサム、トメといっしょがいい…。」

俺の服の裾をキュッと掴む修。

「ん〜〜〜〜〜〜〜〜、………うん、ん〜…………わかった…すきにしていいぞ…。」
「ほんとっ!?えへへへ、やったぁ。」
「(可愛いかよ。)」

だいぶ気が引けるが仕方ない。
………ん?いや、待てよ。
どうせなら修も一緒にやるのはどうだろう。
修は俺と一緒にいたい。俺は鍛錬したいし、修が強くなればいざと言う時安心する。
一石三鳥じゃないか。

「オサム!おれといっしょにつよくなろうな!」
「??うん!」

この選択肢が正しかったのか、後悔することになるのは後数年後のことだった。

「こう?」
「もう少し、ここにちからをいれて…」
「………あの子達何やってるのかしら…?」




(トメさんに鍛えられる修くん。貧弱メガネとは言わせません!しかし筋肉が付きづらい体質なので、体格には恵まれない模様…)
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