私は、常闇踏陰がいちばん、わからない。
誰よりもわからない、とさえ思う。

そして、常闇踏陰を好きな自分のことも、何一つわからない。

明日朝起きたら、いや、次の瞬間には、常闇踏陰に対して、何も思わなくなっているのではないか、と、常に考えている。
それは怖くて不安で、だけどその不完全さが、彼への愛を熱くしていることも事実だ。

私はこの一瞬限りの恋に、ずっと、落ち続けていられるのだろうか。

来世は一緒になりたい、と愛を囁く恋人たちがいる一方で、
私は、この世限りの恋をありがとう、と常闇踏陰に思っている。

この脆弱な愛を支えているのは、まぎれもなく常闇踏陰である。
言いようもない寂しさに包まれている日でも、少しだけ心に添え木がされているような安心をくれた君。
いつもどこかにいないか探しているけれど、きっと、どこにも見つからない君のことを、一生とは言わない、この一瞬だけ、愛させてほしい。

いつか、君のことが、どうでもよくなるその日まで。