私のヒーロー
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「はあっ、はあっ……。」
「ねぇ大丈夫れい?どうしちゃったのー……?」
保健室のベッドに横たわりながら荒い息をするれいの背中を、モニカが優しくさする。
「ごめんねモニカ……私生理前とか、いつもこうで。」
「いきなり倒れるからびっくりしたよ。生理痛?辛いよね。痛み止めあるけど飲む?」
「生理痛ではないから大丈夫……。」
れいはいつも、生理前などメンタルが不調になるとき、高熱が出て動悸がして立てなくなる。
弟を失った、“あの事件”からだ。
そして、今月はいつも以上にひどい。体育の授業をしようと教室移動をしている最中、意識を失ってそのまま倒れてしまった。
「いつもこうって……何か対策とか、こうしてたら楽みたいなのはある?」
「うーんと……こうしてたら楽はないんだけど、鳥を見ると熱が悪化するから……窓の外じゃなくて天井を見てる。」
「鳥?れい、鳥嫌いなの?」
「嫌いではないけど……ちょっと怖い。」
不思議そうな顔をするモニカ。モニカには、まだ“あの事件”のことは話していない。
「覚えておくよ。あっ、もうこんなに溶けてる。氷嚢変えてくるね。」
「ありがとう。」
冷凍庫から氷嚢を取り出しているモニカに感謝しながら、れいは目をつむり、最愛の弟の顔を思い浮かべた。
ーあの時、私がもう少し早くヴィランに気がついていたら
ーあの時、私がもっと強く、ヴィランを追い返していたら
ーあの時、あの時……
目眩のような暗闇の中に弟が堕ちていき、そして暗闇の深淵には、あのヴィランがいた。
黒色で、嘴の尖った、
ーだめ、思い出してはだめ!!
するとその時、まぶたの中に、別の黒い影が現れた。
ー常闇くん……?!
常闇はその尖った嘴と俊敏な体躯で、大柄なヴィランに真っ向から挑む。何度も何度も体勢を崩されるが、その度に諦めることなく立ち向かっていき、そして、遂にヴィランの動きを封じたーーー
「ひやっ。」
額が急に冷たくなり、反射で目が開いた。
「はい、交換してきたよ〜。気持ち良い?」
氷嚢を交換してくれたモニカを見つめるれい。
熱は、完全に引いていた。
「ねぇ大丈夫れい?どうしちゃったのー……?」
保健室のベッドに横たわりながら荒い息をするれいの背中を、モニカが優しくさする。
「ごめんねモニカ……私生理前とか、いつもこうで。」
「いきなり倒れるからびっくりしたよ。生理痛?辛いよね。痛み止めあるけど飲む?」
「生理痛ではないから大丈夫……。」
れいはいつも、生理前などメンタルが不調になるとき、高熱が出て動悸がして立てなくなる。
弟を失った、“あの事件”からだ。
そして、今月はいつも以上にひどい。体育の授業をしようと教室移動をしている最中、意識を失ってそのまま倒れてしまった。
「いつもこうって……何か対策とか、こうしてたら楽みたいなのはある?」
「うーんと……こうしてたら楽はないんだけど、鳥を見ると熱が悪化するから……窓の外じゃなくて天井を見てる。」
「鳥?れい、鳥嫌いなの?」
「嫌いではないけど……ちょっと怖い。」
不思議そうな顔をするモニカ。モニカには、まだ“あの事件”のことは話していない。
「覚えておくよ。あっ、もうこんなに溶けてる。氷嚢変えてくるね。」
「ありがとう。」
冷凍庫から氷嚢を取り出しているモニカに感謝しながら、れいは目をつむり、最愛の弟の顔を思い浮かべた。
ーあの時、私がもう少し早くヴィランに気がついていたら
ーあの時、私がもっと強く、ヴィランを追い返していたら
ーあの時、あの時……
目眩のような暗闇の中に弟が堕ちていき、そして暗闇の深淵には、あのヴィランがいた。
黒色で、嘴の尖った、
ーだめ、思い出してはだめ!!
するとその時、まぶたの中に、別の黒い影が現れた。
ー常闇くん……?!
常闇はその尖った嘴と俊敏な体躯で、大柄なヴィランに真っ向から挑む。何度も何度も体勢を崩されるが、その度に諦めることなく立ち向かっていき、そして、遂にヴィランの動きを封じたーーー
「ひやっ。」
額が急に冷たくなり、反射で目が開いた。
「はい、交換してきたよ〜。気持ち良い?」
氷嚢を交換してくれたモニカを見つめるれい。
熱は、完全に引いていた。