私のヒーロー
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飯田からダッシュで呼び出された常闇は、言われた場所に行くと昨日熱風窓ガラスから助けた女子がいることに気がつき、面食らった。
「きみは、昨日の。」
「わ、私、普通科の、赤沢 れいです。あ、あの、と、常闇くん、いや常闇さん、昨日は助けていただき、ありがとうございました……。あと、助けてもらったのに、お礼も言わずにいなくなって、すみません……。」
しどろもどろになりながら、目も合わせられないほど焦っているれいを見て、この子は倒れてしまうんじゃないか、と常闇は思ったほどだ。
「いや、礼に及ばず。あと、俺の顔を見て驚く人間もたまにいるから、気にしなくて良い。」
「!!……本当にごめんなさい。」
自分が退いた理由が常闇の容姿にあるということを、本人に気づかれていたことが、れいには耐え難かった。
そしてもう一つ耐えられなかったのは、頭でわかっていても、未だに常闇のことが怖かったことだ。
ーこの人はあの憎きヴィランとは違うのに、どうして、足が震えてしまうんだ。手が固まってしまうんだ。言葉がうまく出ないんだ。
ーどうしても、嘴を見ると
ー違うのに
ーあのときの、ヴィランにやられた時の、弟の顔……
ー違うのに
ー助けて!お姉ちゃん!
ー私なんかを、助けなくてよかったのに
嫌な記憶が蘇り、焦燥が頂点に達したとき。
常闇の低い声が響いた。
「俺が助けたかったから助けたんだ。」
驚いて、目を合わせる。
フッと微笑んだ常闇の嘴。
そこから放たれた優しい言葉を、脳でもう一度、噛み締める。
―ああ、この人は、ヒーローなんだ。
れいの中で、嘴がヴィランの印でなく、ヒーローの印になった瞬間だった。
「きみは、昨日の。」
「わ、私、普通科の、赤沢 れいです。あ、あの、と、常闇くん、いや常闇さん、昨日は助けていただき、ありがとうございました……。あと、助けてもらったのに、お礼も言わずにいなくなって、すみません……。」
しどろもどろになりながら、目も合わせられないほど焦っているれいを見て、この子は倒れてしまうんじゃないか、と常闇は思ったほどだ。
「いや、礼に及ばず。あと、俺の顔を見て驚く人間もたまにいるから、気にしなくて良い。」
「!!……本当にごめんなさい。」
自分が退いた理由が常闇の容姿にあるということを、本人に気づかれていたことが、れいには耐え難かった。
そしてもう一つ耐えられなかったのは、頭でわかっていても、未だに常闇のことが怖かったことだ。
ーこの人はあの憎きヴィランとは違うのに、どうして、足が震えてしまうんだ。手が固まってしまうんだ。言葉がうまく出ないんだ。
ーどうしても、嘴を見ると
ー違うのに
ーあのときの、ヴィランにやられた時の、弟の顔……
ー違うのに
ー助けて!お姉ちゃん!
ー私なんかを、助けなくてよかったのに
嫌な記憶が蘇り、焦燥が頂点に達したとき。
常闇の低い声が響いた。
「俺が助けたかったから助けたんだ。」
驚いて、目を合わせる。
フッと微笑んだ常闇の嘴。
そこから放たれた優しい言葉を、脳でもう一度、噛み締める。
―ああ、この人は、ヒーローなんだ。
れいの中で、嘴がヴィランの印でなく、ヒーローの印になった瞬間だった。