私のヒーロー
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次の日、飯田と緑谷が学食から出たところに、緊張した顔のれいが立っていた。
「あの、飯田くん、緑谷くん。昨日はごめんなさい。安全確認せずに逃げてしまって……それであの、私のこと助けてくれた男子に、お礼が言いたくて。」
飯田はやれやれ、と言った顔で答えた。
「昨日は心配したんだぞ。全く。君のことを助けた男子は常闇踏陰くんという。今、彼を呼んでくるから待っててくれ!」
「いや、あの、直接は少し、怖いから、手紙を書いてきたんだけど……その、常闇くんに、渡してくれるかな?」
れいは震える手で、小さく折り畳まれた紙を差し出した。
緑谷はそれを見て、真剣な表情でこう言った。
「赤沢さん、余計なお世話かもしれないけど……お礼は、本人に直接言うべきじゃないかな。それとも、直接話せない理由があるなら、僕が聞くよ。」
緑谷の「余計なお世話は、ヒーローの本質だから。」という言葉を聞いたれいは、2人と共に廊下のベンチに座って、ぽつりぽつりと話し出した。
「あの、私、小さい時に鳥の容姿のヴィランに襲われたの。嘴と鉤爪が大きくて、黒い、ヴィランだった。私が弟と一緒にいるときだったんだ。子どもを狙った愉快犯。携帯とか持ってなかったから、ヒーローが来るのが遅くて。それで私は、弟を守ろうとしたんだけど……全然、守れなくてね。それでそのヴィランに、目の前で、弟を……。」
飯田と緑谷はしばらく絶句しながら、れいの過去の壮絶な体験を聞いていた。涙をこぼしながら言うれいに、飯田がハンカチを差し出す。
「そんなことがあったなんて……そのヴィラン、許せないな……。」
「それから、鳥の個性をもつ人に対して、怖くなってしまったの。もちろん、あのヴィランと、常闇くんが違う人だってちゃんとわかってる。ましてや雄英のヒーロー科にいる人だもんね。正義感があって、見ず知らずの私を咄嗟に助けてくれるような優しい人ってこと、ちゃんとわかってる。だけど、いざ目の前にしたら、避けてしまった……。私、私を助けてくれた人のことを、傷つけてしまった……。」
後悔と自責の念で潰されそうになっているれいに、緑谷は声をかける。
「辛いことを思い出させてしまってごめんね。赤沢さんのトラウマを知らずに、直接お礼した方がいいなんて言ってごめん。今は無理をしないでいいと思う。手紙は僕たちから常闇くんに渡しておくよ。」
緑谷の提案に、れいはゆっくり首を振る。
「……少し、気持ちの整理ができた。久々にこのこと話したからかな。やっぱり直接、謝って、お礼がしたい。常闇くんに。」
「あの、飯田くん、緑谷くん。昨日はごめんなさい。安全確認せずに逃げてしまって……それであの、私のこと助けてくれた男子に、お礼が言いたくて。」
飯田はやれやれ、と言った顔で答えた。
「昨日は心配したんだぞ。全く。君のことを助けた男子は常闇踏陰くんという。今、彼を呼んでくるから待っててくれ!」
「いや、あの、直接は少し、怖いから、手紙を書いてきたんだけど……その、常闇くんに、渡してくれるかな?」
れいは震える手で、小さく折り畳まれた紙を差し出した。
緑谷はそれを見て、真剣な表情でこう言った。
「赤沢さん、余計なお世話かもしれないけど……お礼は、本人に直接言うべきじゃないかな。それとも、直接話せない理由があるなら、僕が聞くよ。」
緑谷の「余計なお世話は、ヒーローの本質だから。」という言葉を聞いたれいは、2人と共に廊下のベンチに座って、ぽつりぽつりと話し出した。
「あの、私、小さい時に鳥の容姿のヴィランに襲われたの。嘴と鉤爪が大きくて、黒い、ヴィランだった。私が弟と一緒にいるときだったんだ。子どもを狙った愉快犯。携帯とか持ってなかったから、ヒーローが来るのが遅くて。それで私は、弟を守ろうとしたんだけど……全然、守れなくてね。それでそのヴィランに、目の前で、弟を……。」
飯田と緑谷はしばらく絶句しながら、れいの過去の壮絶な体験を聞いていた。涙をこぼしながら言うれいに、飯田がハンカチを差し出す。
「そんなことがあったなんて……そのヴィラン、許せないな……。」
「それから、鳥の個性をもつ人に対して、怖くなってしまったの。もちろん、あのヴィランと、常闇くんが違う人だってちゃんとわかってる。ましてや雄英のヒーロー科にいる人だもんね。正義感があって、見ず知らずの私を咄嗟に助けてくれるような優しい人ってこと、ちゃんとわかってる。だけど、いざ目の前にしたら、避けてしまった……。私、私を助けてくれた人のことを、傷つけてしまった……。」
後悔と自責の念で潰されそうになっているれいに、緑谷は声をかける。
「辛いことを思い出させてしまってごめんね。赤沢さんのトラウマを知らずに、直接お礼した方がいいなんて言ってごめん。今は無理をしないでいいと思う。手紙は僕たちから常闇くんに渡しておくよ。」
緑谷の提案に、れいはゆっくり首を振る。
「……少し、気持ちの整理ができた。久々にこのこと話したからかな。やっぱり直接、謝って、お礼がしたい。常闇くんに。」