私のヒーロー
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―寮生活になっても、常闇くんには学校で会えるよね。
そう思っていたれいだったが、なかなかタイミングが合わない日が続いた。
いや、タイミングが合わないというよりも、意図的に常闇の方かられいを遠ざけているとしか思えないことが続いた。
廊下で向こうから常闇がくると、すれ違うまでの道で常闇が曲がってしまい、すれ違えない。
図書館で勉強している常闇を見て隣に座ろうと思ったら、「今、帰るところだ。」と言って立ち上がってしまう。
学食で緑谷と飯田と話している常闇がいたので話しかけた時は、「俺は用事があるから。」と1人で抜けてしまった。
ここ数週間、れいは常闇の態度に違和感を持っていた。
何か、怒らせるようなことをしただろうか。
学校の階段に座りながら、ひとり考える。
少し考えてから彼女は、最悪の出会い方をしてしまった日のことを思い出した。
―せっかく助けてもらったのに、お礼も言わずに顔を見て走り出すなんて……、やっぱり、いくら謝っても、許されることじゃない。
―その後の自主練も、もしかしたら彼は嫌だと言えなかっただけで、私のことをうざったく感じていたのかもしれない。
―寮生活になって、私と離れられて清々したと思っているのかな……。
様々な考えがれいの頭をよぎる。
最後の日、
見つめ合ったあの時の光景が、まだ頭に焼き付いている。
嘴に手を伸ばした時の感触が、まだ指先に残っている。
あの時、彼は何を考えていたのだろうか。
―私は、あの時……
思い出すと、今でも顔が赤くなってしまう。自惚れすぎだ。
ひとりで階段に座りながら悶々と考える。こんな気持ちになったのは初めてで、最近は食事もろくに喉を通らず、あまり眠れない日々が続いている。
―毎日彼のことで頭がいっぱいで、そこに理由なんてなくて、ただただ、彼に惹かれていっただけだった。
―彼に会えることが、一番の楽しみで、あの時間が永遠に続いて欲しいとさえ思っていた。
―常闇くんは、あの時のことを肯定的に捉えてくれているだろうか。
思考はぐるぐると巡る。
弟の時もそうだった。いつもぐるぐると考えすぎてタイミングを逸し、行動をとることが遅れてしまう。
そんな引っ込み思案な自分が嫌いで、猛勉強して雄英に入って、委員長にまでなったのに。
情けない。
「あぁ〜もう!しっかりするのよ普通科クラス委員長赤沢 れい!」
嫌な思考を断ち切るように、こぶしに力をギュッと込める。
―あの輝かしい数週間を自分勝手な想像で埋めてしまうのはもったいない。
―知りたいことがあるなら、本人に聞けば良いじゃないか。
よし、と自分で自分に気合を入れ、頬を叩く。
「次、常闇くんに会ったら、絶対話しかけよう。」
独り言を言いながら立ち上がった瞬間、れいの後ろから低くて緊張感のある声が聞こえた。
「俺ならここにいるぞ。」
そう思っていたれいだったが、なかなかタイミングが合わない日が続いた。
いや、タイミングが合わないというよりも、意図的に常闇の方かられいを遠ざけているとしか思えないことが続いた。
廊下で向こうから常闇がくると、すれ違うまでの道で常闇が曲がってしまい、すれ違えない。
図書館で勉強している常闇を見て隣に座ろうと思ったら、「今、帰るところだ。」と言って立ち上がってしまう。
学食で緑谷と飯田と話している常闇がいたので話しかけた時は、「俺は用事があるから。」と1人で抜けてしまった。
ここ数週間、れいは常闇の態度に違和感を持っていた。
何か、怒らせるようなことをしただろうか。
学校の階段に座りながら、ひとり考える。
少し考えてから彼女は、最悪の出会い方をしてしまった日のことを思い出した。
―せっかく助けてもらったのに、お礼も言わずに顔を見て走り出すなんて……、やっぱり、いくら謝っても、許されることじゃない。
―その後の自主練も、もしかしたら彼は嫌だと言えなかっただけで、私のことをうざったく感じていたのかもしれない。
―寮生活になって、私と離れられて清々したと思っているのかな……。
様々な考えがれいの頭をよぎる。
最後の日、
見つめ合ったあの時の光景が、まだ頭に焼き付いている。
嘴に手を伸ばした時の感触が、まだ指先に残っている。
あの時、彼は何を考えていたのだろうか。
―私は、あの時……
思い出すと、今でも顔が赤くなってしまう。自惚れすぎだ。
ひとりで階段に座りながら悶々と考える。こんな気持ちになったのは初めてで、最近は食事もろくに喉を通らず、あまり眠れない日々が続いている。
―毎日彼のことで頭がいっぱいで、そこに理由なんてなくて、ただただ、彼に惹かれていっただけだった。
―彼に会えることが、一番の楽しみで、あの時間が永遠に続いて欲しいとさえ思っていた。
―常闇くんは、あの時のことを肯定的に捉えてくれているだろうか。
思考はぐるぐると巡る。
弟の時もそうだった。いつもぐるぐると考えすぎてタイミングを逸し、行動をとることが遅れてしまう。
そんな引っ込み思案な自分が嫌いで、猛勉強して雄英に入って、委員長にまでなったのに。
情けない。
「あぁ〜もう!しっかりするのよ普通科クラス委員長赤沢 れい!」
嫌な思考を断ち切るように、こぶしに力をギュッと込める。
―あの輝かしい数週間を自分勝手な想像で埋めてしまうのはもったいない。
―知りたいことがあるなら、本人に聞けば良いじゃないか。
よし、と自分で自分に気合を入れ、頬を叩く。
「次、常闇くんに会ったら、絶対話しかけよう。」
独り言を言いながら立ち上がった瞬間、れいの後ろから低くて緊張感のある声が聞こえた。
「俺ならここにいるぞ。」