私のヒーロー
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次の週の放課後、れいは常闇の自主練を見にこの前と同じ場所に向かった。
はじめは自分の体調不良を対策する秘訣が常闇の戦い方にあると考えていたれいだったが、それ以上に今は、常闇本人に興味が出てきた。
物静かでクールだけれど、心の奥に熱い情熱を感じる。ヒーローになる人というのはあのような人のことを言うのだろう、と、れいはしみじみ感じていた。
前の場所で、バク転をしている常闇が見えた。綺麗な回転を支える二の腕の筋肉が見える。小柄な身体と打って変わって、男らしい二の腕。
ー最初に出会った時は動転してしまっていて考えられなかったけれど、あの人の腕に私、抱きかかえられたんだ……。
二の腕をボーッと見つめるれいに気づいた常闇は、「あぁ、赤沢。」と軽く挨拶をしてすぐ、自主練を再開しかけたが、ふと思いついたように
「そういえば、赤沢に補助をしてもらいたいのだが。1人じゃどうしてもできない踏み切りがある。」
とれいに補助を頼んだ。
「え!?私でよければ……。どうしたら良いかな?」
おずおずと進みながら常闇に近づく。
「こう、俺の腰を持ってだな……。」
レクチャーをする常闇の低い声が、れいの耳に響く。何故だかとても心地良く感じる。
「こ、こんな感じ、かな?」
れいが見上げた拍子に、れいの鼻が常闇の嘴に当たった。
「あっ。」
「なっ。」
一気に気まずくなり、フリーズする2人。
普段は男子に補助してもらっていたので気が付かなかったが、女子とこの距離は流石に……と常闇が焦り始めた時、幸か不幸か邪魔者が入る。
「なあああああああああ?!?!常闇くん?!赤沢さん?!」
目が飛び出し、顎が地面まで下がった緑谷が1人で叫んでいた。
「違うんだ緑谷!」
何が違うのかよく分からないが、とりあえず否定する常闇。
「違うの緑谷くん。回転の補助をね、やろうとしてただけで。」
乗っかりながら否定するれい。
「違うんだ、その、赤沢さん、その……」
全てわかった上で、れいが常闇に近づき、触れていることに驚いている緑谷。
緑谷の意図に気がついたれいは、にっこり笑ってゆっくり諭すように伝えた。
「緑谷くん、あのね、もう大丈夫だから。」
軽くウインクして、その話は彼の前でしないでね、と緑谷に目で伝える。
なんとなく把握した緑谷は、
「そ、そうか。良かった。ふたり、仲良くなったんだね。良かったぁ〜。」
とホッとしながら安堵した。
常闇だけ、「む、なんだ。」と少し不満げな顔だったのはさておき、その日の自主練は緑谷も加わることで事なきを得た。
はじめは自分の体調不良を対策する秘訣が常闇の戦い方にあると考えていたれいだったが、それ以上に今は、常闇本人に興味が出てきた。
物静かでクールだけれど、心の奥に熱い情熱を感じる。ヒーローになる人というのはあのような人のことを言うのだろう、と、れいはしみじみ感じていた。
前の場所で、バク転をしている常闇が見えた。綺麗な回転を支える二の腕の筋肉が見える。小柄な身体と打って変わって、男らしい二の腕。
ー最初に出会った時は動転してしまっていて考えられなかったけれど、あの人の腕に私、抱きかかえられたんだ……。
二の腕をボーッと見つめるれいに気づいた常闇は、「あぁ、赤沢。」と軽く挨拶をしてすぐ、自主練を再開しかけたが、ふと思いついたように
「そういえば、赤沢に補助をしてもらいたいのだが。1人じゃどうしてもできない踏み切りがある。」
とれいに補助を頼んだ。
「え!?私でよければ……。どうしたら良いかな?」
おずおずと進みながら常闇に近づく。
「こう、俺の腰を持ってだな……。」
レクチャーをする常闇の低い声が、れいの耳に響く。何故だかとても心地良く感じる。
「こ、こんな感じ、かな?」
れいが見上げた拍子に、れいの鼻が常闇の嘴に当たった。
「あっ。」
「なっ。」
一気に気まずくなり、フリーズする2人。
普段は男子に補助してもらっていたので気が付かなかったが、女子とこの距離は流石に……と常闇が焦り始めた時、幸か不幸か邪魔者が入る。
「なあああああああああ?!?!常闇くん?!赤沢さん?!」
目が飛び出し、顎が地面まで下がった緑谷が1人で叫んでいた。
「違うんだ緑谷!」
何が違うのかよく分からないが、とりあえず否定する常闇。
「違うの緑谷くん。回転の補助をね、やろうとしてただけで。」
乗っかりながら否定するれい。
「違うんだ、その、赤沢さん、その……」
全てわかった上で、れいが常闇に近づき、触れていることに驚いている緑谷。
緑谷の意図に気がついたれいは、にっこり笑ってゆっくり諭すように伝えた。
「緑谷くん、あのね、もう大丈夫だから。」
軽くウインクして、その話は彼の前でしないでね、と緑谷に目で伝える。
なんとなく把握した緑谷は、
「そ、そうか。良かった。ふたり、仲良くなったんだね。良かったぁ〜。」
とホッとしながら安堵した。
常闇だけ、「む、なんだ。」と少し不満げな顔だったのはさておき、その日の自主練は緑谷も加わることで事なきを得た。