私のヒーロー
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ーあの夢はなんだったんだろう。
体調不良になったときのいつもの悪い回想、でもこの前だけは違った。
夢の中で常闇がヴィランを倒した後、れいの熱はすっかり引いて、気分も楽になっていた。
ーもしかして、常闇くんに何か秘訣があるのかな?もっと彼のこと知りたい。
れいの頭は、常闇でいっぱいになった。
ある日の放課後、校舎裏で一人でトレーニングをしている常闇を発見した。咄嗟に柱の後ろに隠れるれい。
ストーカーみたいだけれど、これは体調不良の治療法を探るため致し方ないことである、と自分に言い聞かせ、息を潜めて常闇を見つめる。
なるほど、雄英の1年生で3位だっただけある。
小柄な身体を活かしてくるくると回転したり、俊敏な動きで風を切るように走ったり、彼の動きは鮮やかで華麗だった。
しかし、もっと近くで見たい、という思いが先行して、れいは足元にあったバッグを蹴ってしまう。中に入っていた筆箱などが散らばり、ガラガラと音を立てた。
「だれだ。そこで何をしている?」
人の気配に気がついた常闇が、音のした方向に声をかける。気まずそうに出てくるれい。
「君は……赤沢。」
意外な人物の登場に驚きを隠せない常闇。
「あ、あの、たまたま通りがかったのだけれど、常闇くんの運動神経が良くて、つい見ちゃった。こういうの見るの好きなんだ、私。パルクールとか体操とか!くるくる回ったりするの見るの、好きなの!」
あくまで不自然でなく聞こえる言い訳を並べ立てるれい。
「そうか。なら、わざわざ隠れたりなどせず、そこで見ていれば良い。」
フッ、と笑いながら、常闇は軽々と後方宙返りをしてれいのリクエストに応えた。
すっかり体操好きだと思われてしまったれいだが、こんな良い機会はない、と考え、華麗に空を舞う常闇を見ていた。
1時間くらい経っただろうか。流石に汗だくの常闇に、れいが声をかける。
「見せてくれてありがとう。こんな遅くまで一人でやるなんて、大変だね。」
「俺の個性は闇の中でこそ、真価を発揮する。だからこの時間に活動するのが、効率がよい。」
れいは常闇の言葉にそうなんだ、と深く頷き、少しの間黙っていた。そして、ふと口を開いた。
「それなら、また見に来ても良い?」
その言葉に少し驚いた常闇だったが、
「ああ、構わない。ギャラリーがいた方が緊張感が出てパフォーマンスも上がる。」
常闇の瞳に見つめられ、れいの心臓が、またキュッと、小さく鳴った。
体調不良になったときのいつもの悪い回想、でもこの前だけは違った。
夢の中で常闇がヴィランを倒した後、れいの熱はすっかり引いて、気分も楽になっていた。
ーもしかして、常闇くんに何か秘訣があるのかな?もっと彼のこと知りたい。
れいの頭は、常闇でいっぱいになった。
ある日の放課後、校舎裏で一人でトレーニングをしている常闇を発見した。咄嗟に柱の後ろに隠れるれい。
ストーカーみたいだけれど、これは体調不良の治療法を探るため致し方ないことである、と自分に言い聞かせ、息を潜めて常闇を見つめる。
なるほど、雄英の1年生で3位だっただけある。
小柄な身体を活かしてくるくると回転したり、俊敏な動きで風を切るように走ったり、彼の動きは鮮やかで華麗だった。
しかし、もっと近くで見たい、という思いが先行して、れいは足元にあったバッグを蹴ってしまう。中に入っていた筆箱などが散らばり、ガラガラと音を立てた。
「だれだ。そこで何をしている?」
人の気配に気がついた常闇が、音のした方向に声をかける。気まずそうに出てくるれい。
「君は……赤沢。」
意外な人物の登場に驚きを隠せない常闇。
「あ、あの、たまたま通りがかったのだけれど、常闇くんの運動神経が良くて、つい見ちゃった。こういうの見るの好きなんだ、私。パルクールとか体操とか!くるくる回ったりするの見るの、好きなの!」
あくまで不自然でなく聞こえる言い訳を並べ立てるれい。
「そうか。なら、わざわざ隠れたりなどせず、そこで見ていれば良い。」
フッ、と笑いながら、常闇は軽々と後方宙返りをしてれいのリクエストに応えた。
すっかり体操好きだと思われてしまったれいだが、こんな良い機会はない、と考え、華麗に空を舞う常闇を見ていた。
1時間くらい経っただろうか。流石に汗だくの常闇に、れいが声をかける。
「見せてくれてありがとう。こんな遅くまで一人でやるなんて、大変だね。」
「俺の個性は闇の中でこそ、真価を発揮する。だからこの時間に活動するのが、効率がよい。」
れいは常闇の言葉にそうなんだ、と深く頷き、少しの間黙っていた。そして、ふと口を開いた。
「それなら、また見に来ても良い?」
その言葉に少し驚いた常闇だったが、
「ああ、構わない。ギャラリーがいた方が緊張感が出てパフォーマンスも上がる。」
常闇の瞳に見つめられ、れいの心臓が、またキュッと、小さく鳴った。