届かない想い
名前変換とあらすじ
この章の夢小説設定【概要】
恋人のリヴァイは過保護
で、貴女が少し怪我した
だけで機嫌が悪くなる。
だからか、壁外調査で大
怪我を負った貴女を徹底
的に無視しはじめるよう
に。
それが何日も続き、貴女
が知った真実とは――。
【ページ数】
全5ページ
【備考】
・一人称。
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それからも、リヴァイは私を徹底的に無視した。
食堂にてリヴァイの前を陣取った時も――。
「ねぇ、いい加減こっちを見てくれないかな! 私一人喋って馬鹿みたいじゃん」
「……」
「ねぇ聞いてる? 本当にお願いだから無視はもう止めよう?」
「……」
「ねぇ、本当に」
「リヴァイ、前良いか?」
「……ミケか。何だ」
「珍しくお前を食堂で見かけたんでな、つい」
「別に。たまたまだ」
「……わざとか」
「あ?」
「スン。あまり気を詰めるな。病気になる」
「そうそう、ミケさんの言う通り! だから観念して私と話をし――」
「別に普通だ。構うな」
「まだ私、喋ってる途中なんだけど!?」
一人資料室にいるリヴァイに突撃した時も――。
「それ何の資料? 壁外調査の資料?」
「……」
「それとも憲兵の不正が書いてあるとか?」
「……チッ、あのクソメガネ。めんどくせぇこと押し付けやがって」
「巨人のこと!?」
「一から読まねぇとダメなのか、クソッ」
「ちょ、その資料何? 何なの? ちょっと待ってどこ行くの!?」
もはや無視をされるので、めちゃくちゃ話しかけまくる作戦に出たが尽くリヴァイは無視をする。
もう逆に凄いレベルで目も合わないし、会話もしない。
だから私はヤケになった。
「クソチビ!」とか「馬鹿!」とか「低身長筋肉野郎」とか、色々な呼び方で声をかけた。
少しは反応するかと思った。優しくはなくても、せめて激怒して「いい加減にしろ」とかだけでも言ってくれたらなって思った。
……だけど、リヴァイはそれでも私に対してだけ何も言ってくれなかった。
そして彼は、休みもそこそこにただひたすら仕事をしていた。
だんだんと私も悲しくなってきた。ついこの前まで愛し合って、深い仲だったのに今はもうとても遠い。
大怪我に関しても直接怒りをぶつけるわけでなく、ただひたすら無視。無。
それ以外の会話もなければ、反応すらない。
もう諦めようかなって思ったこともあった。
けれど、やっぱり彼のことが大好きで愛しているから諦めることは出来なかった。
――それからも私は奮闘して奮闘し続け、漸く少しだけ反応をもらえた。
それはもういい加減にしてくれと、私がブちぎれた時だ。いつもは絶対にしないけど、その時だけは物に当たったのだ。
リヴァイの部屋にあるローテーブルを思いっきり蹴った。
テーブルは勢いよく引っ繰り返った。
床とテーブルがぶつかり合う音が部屋中に響く。
すると流石のリヴァイも目を見開き、仕事をする手が止まった。
漸くこちらに顔をあげたリヴァイ。驚きの表情を見せた後に、険しい顔つきへと変わった。
「あ……」
リヴァイは椅子から立ち上がると、静かにローテーブルへ近付いた。目は合わなかった。
「えっと……その……ごめん、なさい……」
テーブルを見つめるリヴァイは、何も言わない。ばつが悪くなった私は謝罪の言葉を口にした。
大怪我のことで怒っているのに、更に怒らせてしまったかと不安になった。
流石にもうリヴァイとの関係が終わるかも、と思った。
しかしリヴァイは私を咎めることもなく、謝罪に対しても言葉もなく。しばらくローテーブルを見つめた後、それを元の位置に戻した。
「あの、リヴァイ?」
「……」
ただそれだけの反応だった。
徹底的に無視されていた私が初めて反応を貰えた瞬間だった。
だけど、とても悲しかった。