ドMな私
名前変換
この小説の夢小説設定主人公の苗字はキャラ設定上、アッカーマンで固定です。
なので、苗字を除く名前だけ入力してください。
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
5、新リヴァイ班。
新リヴァイ班には多くの104期が選ばれた。エレンと同じ南方訓練兵団出身の子らばかりだったが、まぁそれは分かる。
けれど団長の予告通り、私も選ばれた。理由が良く分からないが、前に兵長を助けたこととやはり関係があるのだろうか。
それとも、ただの玩具……?
どちらにせよ、私にはご褒美タイムが増えるのだ!
滲み出る嬉しさを抑えて、私は早速新リヴァイ班との顔合わせに向かった。
――……‥‥
「てめぇらはこれから俺の班だ。言っとくが、俺は自分の認めた信用できるやつしか班に招き入れてない。この班の目的は、人類の勝利のためにエレンという希望を死なせないこと、および敵にエレンを奪われないことだ。またエレンが暴走したときは止めるのも俺達の役目だ。……長く付き合いのあるお前らだからこそそれが出来ると踏んでる。分かったか」
リヴァイ兵長の言葉に全員が敬礼をした。
「何か質問はあるか。あるなら今の内だ」
そう言われ、私は真っ先に手を上げた。
「何だ名前」
「私は何故選ばれたのでしょうか? 正直、私はエレンとは調査兵団に入ってから出会いました。他の人たちと比べて付き合いが浅いです」
「てめぇが選ばれたのは実力があると分かっているからだ」
「え?」
「北方訓練兵団では体術と立体機動訓練がトップだったらしいな。その豚並の体を絞れば首席もいけただろうにな」
「……私が首席じゃないのは座学が」
「馬術が駄目だと聞いたが?」
「うっ……」
「馬もさぞ重かっただろうな」
そうだよ。馬が私の重さのせいか、他の馬より進まなくて遅れるんだもの。
訓練兵団の馬は調査兵団の馬に比べて非力だ。
「兵長、前から思ってたんですが名前を苛めすぎてませんか?」
エレンが一歩前に出てそう告げた。
「名前は問題なく動けてますよね? むしろそこら辺の軟弱な兵士より上ですよ。確かにちょっと……その……ぽっちゃりではあると思いますが……体質というものかもしれませんし」
リヴァイ兵長は元々ちょっと怖い顔立ちをしている。他の皆が怯んでいる中、エレンだけは堂々としていた。(あ、ミカサもだ)
「エレンよ」
「はい」
「こいつの体をもっと絞る事が出来れば、より機敏な動きと洗練された強さが出るとは思わねぇか。俺はこいつならきっと出来ると信じているから言っているんだ」
「そうだったんですか……!」
「なのにこいつは一向に痩せやしねぇ。そればかりか、前より肉が増してきたように見える。なぁ、名前。どうなんだ?」
話を振られ、皆の注目を浴びる。何となく恥ずかしくなって、縮こまって答えた。
「……さぁ、どうでしょう。あんまり変わってない気もします」
「それはそれで問題だな。てめぇには特別な訓練を与える必要がありそうだ」
「特別な訓練、ですか?」
「その贅肉を削がれたくなければ従え」
「分かりました……」
「以上だ、解散」
兵長はそう号令をかけると、早々に立ち去ってしまった。
――落ち込んでいるように見えたのだろう。
兵長が去ってから、皆がかけよってきて口々に励ましの言葉をかけてくれる。
「大丈夫か、名前!」
「大丈夫、ありがとうコニー」
「兵長は乙女に向かって失礼ですね。流石の私もビックリしました」
「サシャの言う通り。あのチビはデリカシーがない」
「とりあえず、落ち込むなよ。名前」
エレンが肩に手を置いて励ましてくれた。
「もし名前が困っていたら、僕たちで良ければ手伝うよ」
「え?」
「そうだな。お前、兵長に言われっぱなしで悔しくねぇのか? ぎゃふんと言わせてやろうぜ」
「ありがとう」
アルミンとジャンの言葉に、皆頷いてくれている。
「あのチビはいつもそう。エレンにしたって理不尽に蹴りあげるし……云々……」
ミカサがぼそぼそ愚痴り始めてしまった。
私は調査兵団に入って初めて同じアッカーマン姓である彼女に出会った。
とはいえ、新兵歓迎会の時に自己紹介したくらいだ。
同じアッカーマン姓ということもあり、その場は少し話をしたがそれ以来ほとんど接点がなかった。
先輩方から「君と同じアッカーマンってのがいるけど、親戚か何か?」と聞かれたが「多分違います」と答え続けた。
だけどまぁ、もし親戚だとしても雲泥の差。
ミカサは引き締まった肉体で腹筋もバキバキ割れていると聞く。背も高い。
親戚だとしても、実感がわかないだろう。
「とにかく、皆ありがとう! 私大丈夫だから」
「……あんま、無理すんなよ」
無理はしていない。だって兵長のあの罵りは
ウェルカムなのだから!
そして私は次の日、早速兵長に特別訓練とやらを与えられた――。
5、新リヴァイ班。 END