特別なクッキー
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「怒ってる?」
そう問えば、リヴァイは軽く目を逸らして
「いや」
と答えた。怒ってはなさそうだが、ちょっと拗ねているなとマーラは感じた。
今まで、他の人たちと差別化をしているのをリヴァイは知っていた。大切な仲間達と、恋人であるリヴァイとでは毎年あげる種類が微妙に違っていた。
今回も、特別なクッキーとしてクリームをサンドしたクッキーを作った。これは他の人には作っていないものだ。エレンを除いて。
「……ごめんって。でもエレンは大事な弟だし、リヴァイも大事な人だし。私にとってどっちも命より大切な人なの」
「相変わらずのブラコンぶりだな」
「ちがっ、ブラコンじゃないし!」
「なら、何故エレンと俺のを一緒にした?」
「拗ねてる?」
「別にそう言うわけじゃねぇが」
頑なに認めないリヴァイにマーラはちょっと笑ってしまう。
「てめぇ、何笑ってやがる」
「ごめん。ちょっと嬉しくて」
「は?」
マーラはリヴァイの額に自分の額をくっつけた。
「人生の途中で出会った人を、こんなに好きになるのって凄いことだと思うのね。友人としてじゃなくて、一人の男として。赤の他人なのに……命をかけてもいいくらい愛してるのって、リヴァイだけだよ」
そんなクソ恥ずかしい台詞よく言えるな、とリヴァイは思った。
だが、悪い気分はしなかった。むしろ幸福な気分になった。
そしてマーラは続けて口にした。
「私は、リヴァイの為なら死ねる」
その言葉に、リヴァイは目を見張る。
最高の愛情表現だと感じた。
「マーラ。そりゃまるで……」
「プロポーズみたい?」
柔らかく笑んだ。
その表情に心がきゅっと掴まれる感覚がした。
「でも本当だから。私はリヴァイが生きてくれるなら、この命を捧げても良い」
大好きだよ、と呟いたマーラにリヴァイは儚さを覚えた。
「マーラ」
「……ん?」
ゆっくりと後頭部に手を伸ばし、引き寄せた。
マーラの唇に己の唇を押し当てる。味を堪能するかのように吸い付くと、マーラの体がピクッと小さく跳ねた。
数秒間のキスの後、ゆっくり離れるとマーラの頬は紅潮していてそれがリヴァイの雄心に火をつけそうだった。
「……好き」
更にそんなことを言われれば、昔なら一発で押し倒していたかもしれない。とリヴァイは思った。
しかしもう三十路を越えている。まだ抑え込められた。
「そういうこと言うんじゃねぇ。何されても文句言えないぞ」
「別にリヴァイだけだから良い」
反省しない恋人にリヴァイは小さく舌打ちをした。
「……それと、俺の為に命を捨てるようなことはするな」
「そう言うと思った。でも私は考えを改めるつもりはないから」
「他人の意思を縛るなんざ出来ねぇよ。けどな、俺がお前に死んでほしくねぇから言ってる。だからこれは命令だ。俺の為にその命捧げるな」
「それは兵士長命令ですか?」
「そうだ」
「じゃ、拒否します」
「あ?」
まさかの返事に、リヴァイは思わず顔を顰めた。
「私は“兵長”じゃなくて“リヴァイ”に命を捧げられると言ってるの」
そう問えば、リヴァイは軽く目を逸らして
「いや」
と答えた。怒ってはなさそうだが、ちょっと拗ねているなとマーラは感じた。
今まで、他の人たちと差別化をしているのをリヴァイは知っていた。大切な仲間達と、恋人であるリヴァイとでは毎年あげる種類が微妙に違っていた。
今回も、特別なクッキーとしてクリームをサンドしたクッキーを作った。これは他の人には作っていないものだ。エレンを除いて。
「……ごめんって。でもエレンは大事な弟だし、リヴァイも大事な人だし。私にとってどっちも命より大切な人なの」
「相変わらずのブラコンぶりだな」
「ちがっ、ブラコンじゃないし!」
「なら、何故エレンと俺のを一緒にした?」
「拗ねてる?」
「別にそう言うわけじゃねぇが」
頑なに認めないリヴァイにマーラはちょっと笑ってしまう。
「てめぇ、何笑ってやがる」
「ごめん。ちょっと嬉しくて」
「は?」
マーラはリヴァイの額に自分の額をくっつけた。
「人生の途中で出会った人を、こんなに好きになるのって凄いことだと思うのね。友人としてじゃなくて、一人の男として。赤の他人なのに……命をかけてもいいくらい愛してるのって、リヴァイだけだよ」
そんなクソ恥ずかしい台詞よく言えるな、とリヴァイは思った。
だが、悪い気分はしなかった。むしろ幸福な気分になった。
そしてマーラは続けて口にした。
「私は、リヴァイの為なら死ねる」
その言葉に、リヴァイは目を見張る。
最高の愛情表現だと感じた。
「マーラ。そりゃまるで……」
「プロポーズみたい?」
柔らかく笑んだ。
その表情に心がきゅっと掴まれる感覚がした。
「でも本当だから。私はリヴァイが生きてくれるなら、この命を捧げても良い」
大好きだよ、と呟いたマーラにリヴァイは儚さを覚えた。
「マーラ」
「……ん?」
ゆっくりと後頭部に手を伸ばし、引き寄せた。
マーラの唇に己の唇を押し当てる。味を堪能するかのように吸い付くと、マーラの体がピクッと小さく跳ねた。
数秒間のキスの後、ゆっくり離れるとマーラの頬は紅潮していてそれがリヴァイの雄心に火をつけそうだった。
「……好き」
更にそんなことを言われれば、昔なら一発で押し倒していたかもしれない。とリヴァイは思った。
しかしもう三十路を越えている。まだ抑え込められた。
「そういうこと言うんじゃねぇ。何されても文句言えないぞ」
「別にリヴァイだけだから良い」
反省しない恋人にリヴァイは小さく舌打ちをした。
「……それと、俺の為に命を捨てるようなことはするな」
「そう言うと思った。でも私は考えを改めるつもりはないから」
「他人の意思を縛るなんざ出来ねぇよ。けどな、俺がお前に死んでほしくねぇから言ってる。だからこれは命令だ。俺の為にその命捧げるな」
「それは兵士長命令ですか?」
「そうだ」
「じゃ、拒否します」
「あ?」
まさかの返事に、リヴァイは思わず顔を顰めた。
「私は“兵長”じゃなくて“リヴァイ”に命を捧げられると言ってるの」