特別なクッキーの理由
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「気のせいだ」
「気のせいじゃないよ! 何? リヴァイは答えを知っているの?」
リヴァイは黙り込んだ。しかし好奇心旺盛なハンジは止まらない。
「ちょっと! ねぇ! 何で黙るの? 何でマーラは私にそのクッキーくれなかったの?」
「うるせぇな。別にてめぇだけじゃねぇだろ。ミカサやアルミンにすらそのクッキーはなかったってエレンは言ってたじゃねぇか」
「だって、ミカサやアルミンはマーラとあまり付き合いないじゃない! マーラは、ミカサが家に来る前にもう兵士だったからあまり関わりなかったって言ってたし。その点、私はマーラが調査兵入団したときからの付き合いだよ? その年数で言えばリヴァイと同じ! 何が違うの!」
リヴァイは心底面倒だと思った。
これはマーラに次からは特別扱いするなと言わねば、と心に決めた。
じゃないと、またハンジにとやかく言われる。
(まぁ、俺が見つかったのが悪いんだが)
エレンだけなら、ブラコン気味のマーラが特別視するのは説明がつく。
だが、リヴァイも同じ物を貰ったことがバレた以上、その説明が難しい。
執務室でちょっと摘まんだことをリヴァイは後悔した。
誰かが来ればノックをする。そうなれば急いで隠せば良いと思ったのだ。
しかし、ハンジが突然ノックもせず入って来たものだから隠すことも出来なかった。
「ねぇ! リヴァイってば!」
「あぁ、もううるせぇな! そりゃてめぇがうぜぇからに決まってるだろうが!」
「はぁ!? マーラがそんなこと思うわけないじゃん!」
「は、どうだか。六年一緒にいててめぇは他の兵士と同じ。つまりそういうことだろ」
「そんな……! 嘘だ!」
勿論、そんなの大嘘なわけだがリヴァイはとにかくもう帰って欲しい一心だった。
マーラが誤解されて悪いという思いも一瞬過ったが、とにかくハンジには帰ってほしかった。
「聞いて見りゃいいだろうが、マーラに。聞ければの話だがな。それと、実験は許可出来ねぇ。許可してほしければ、エレンの安全性の約束と安全である根拠を書いてから出直して来い」
「くっ……。だが、こっちにはリヴァイがマーラからもらった手作りクッキーを食べたって言う事実があるからね。しかも皆とは違うやつ。去年は気持ち悪いとか言ってマーラを傷つけたくせに、今年は――」
「それを言いふらしてみろ。マーラも晒しもんだぞ。確実に今度こそマーラはてめぇを軽蔑するだろうな」
リヴァイの言葉に、ハンジはうっと言葉に詰まった。
「そ、それは……嫌だ」
「話はこれで終わりだ。良かったぜ、上手くまとまったからな」
「くっそ、絶対許可を得てみせる!」
「せいぜい頑張れ」
ハンジは涙を呑んで部屋を後にした。
――その後。
ハンジはマーラに真相を問い詰めた。
マーラは「絶対うざいとかそんなこと思ったことないですから! エルヴィン団長もハンジさんと同じ物だし!」と否定し、ハンジは喜びを隠しきれずにいた。
しかし、リヴァイとエレンに特別なクッキーを渡したことに関しては、理由付けに困った。
あれは、命より大切な人にしか渡さないと決めた特別なもの。それを口にしてしまえば、ハンジにリヴァイとの仲が一発でばれてしまう。
もはやバレてもおかしくない状況だ。しかしここでハンジだから良いかと肯定してしまえば、うっかり疲労で第四分隊のメンバーに漏らしてしまう可能性だってある。
そこから広がってしまうかもしれない。それは困る。
そう思ったマーラは、心の中でリヴァイに謝ってハンジにこう説明した。
「実はリヴァイにもハンジさんと同じ物をあげようとしたんですよ。でもリヴァイが特別なクッキーが入った方が良いっていう目で見て来たんで、負けたんですよねー……。本当は、生まれた時からお世話になった駐屯兵団のハンネスさんにあげようと思ってたんですよ」
と。そのせいで、またリヴァイがハンジからいじられるのはまた別のお話。
END
↓あとがき
●あとがき●
バレンタインデー企画!
といても、進撃の世界にバレンタインデーってあるのか?って疑問から始まりました。
マーレにはありそうだけど、パラディ島にはなさそうってイメージで設定をしました。
ちなみに、現在(2020年2月)まだ書いてなくていつか書く予定なんですけど……エレンには二人の関係バレてる設定です。
バレる話はいつか書く予定です。
バレた時期は、調査兵団にエレンが入って一か月以内とだけ言っておきます。エレンは黙っててくれてます。
この話、ほぼハンジ中心で主人公あまり出てなかったのでリヴァイとの甘い話を別で書いてます!バレンタイン企画ですもの!
内容は、この『特別なクッキーの理由』でハンジがリヴァイの部屋に突撃する前。クッキーを主人公がリヴァイに渡しに行った場面を書いてます。
それがこちら⇒特別なクッキー
良かったら、こちらも読んでみてください。
それではまた!
「気のせいじゃないよ! 何? リヴァイは答えを知っているの?」
リヴァイは黙り込んだ。しかし好奇心旺盛なハンジは止まらない。
「ちょっと! ねぇ! 何で黙るの? 何でマーラは私にそのクッキーくれなかったの?」
「うるせぇな。別にてめぇだけじゃねぇだろ。ミカサやアルミンにすらそのクッキーはなかったってエレンは言ってたじゃねぇか」
「だって、ミカサやアルミンはマーラとあまり付き合いないじゃない! マーラは、ミカサが家に来る前にもう兵士だったからあまり関わりなかったって言ってたし。その点、私はマーラが調査兵入団したときからの付き合いだよ? その年数で言えばリヴァイと同じ! 何が違うの!」
リヴァイは心底面倒だと思った。
これはマーラに次からは特別扱いするなと言わねば、と心に決めた。
じゃないと、またハンジにとやかく言われる。
(まぁ、俺が見つかったのが悪いんだが)
エレンだけなら、ブラコン気味のマーラが特別視するのは説明がつく。
だが、リヴァイも同じ物を貰ったことがバレた以上、その説明が難しい。
執務室でちょっと摘まんだことをリヴァイは後悔した。
誰かが来ればノックをする。そうなれば急いで隠せば良いと思ったのだ。
しかし、ハンジが突然ノックもせず入って来たものだから隠すことも出来なかった。
「ねぇ! リヴァイってば!」
「あぁ、もううるせぇな! そりゃてめぇがうぜぇからに決まってるだろうが!」
「はぁ!? マーラがそんなこと思うわけないじゃん!」
「は、どうだか。六年一緒にいててめぇは他の兵士と同じ。つまりそういうことだろ」
「そんな……! 嘘だ!」
勿論、そんなの大嘘なわけだがリヴァイはとにかくもう帰って欲しい一心だった。
マーラが誤解されて悪いという思いも一瞬過ったが、とにかくハンジには帰ってほしかった。
「聞いて見りゃいいだろうが、マーラに。聞ければの話だがな。それと、実験は許可出来ねぇ。許可してほしければ、エレンの安全性の約束と安全である根拠を書いてから出直して来い」
「くっ……。だが、こっちにはリヴァイがマーラからもらった手作りクッキーを食べたって言う事実があるからね。しかも皆とは違うやつ。去年は気持ち悪いとか言ってマーラを傷つけたくせに、今年は――」
「それを言いふらしてみろ。マーラも晒しもんだぞ。確実に今度こそマーラはてめぇを軽蔑するだろうな」
リヴァイの言葉に、ハンジはうっと言葉に詰まった。
「そ、それは……嫌だ」
「話はこれで終わりだ。良かったぜ、上手くまとまったからな」
「くっそ、絶対許可を得てみせる!」
「せいぜい頑張れ」
ハンジは涙を呑んで部屋を後にした。
――その後。
ハンジはマーラに真相を問い詰めた。
マーラは「絶対うざいとかそんなこと思ったことないですから! エルヴィン団長もハンジさんと同じ物だし!」と否定し、ハンジは喜びを隠しきれずにいた。
しかし、リヴァイとエレンに特別なクッキーを渡したことに関しては、理由付けに困った。
あれは、命より大切な人にしか渡さないと決めた特別なもの。それを口にしてしまえば、ハンジにリヴァイとの仲が一発でばれてしまう。
もはやバレてもおかしくない状況だ。しかしここでハンジだから良いかと肯定してしまえば、うっかり疲労で第四分隊のメンバーに漏らしてしまう可能性だってある。
そこから広がってしまうかもしれない。それは困る。
そう思ったマーラは、心の中でリヴァイに謝ってハンジにこう説明した。
「実はリヴァイにもハンジさんと同じ物をあげようとしたんですよ。でもリヴァイが特別なクッキーが入った方が良いっていう目で見て来たんで、負けたんですよねー……。本当は、生まれた時からお世話になった駐屯兵団のハンネスさんにあげようと思ってたんですよ」
と。そのせいで、またリヴァイがハンジからいじられるのはまた別のお話。
END
↓あとがき
●あとがき●
バレンタインデー企画!
といても、進撃の世界にバレンタインデーってあるのか?って疑問から始まりました。
マーレにはありそうだけど、パラディ島にはなさそうってイメージで設定をしました。
ちなみに、現在(2020年2月)まだ書いてなくていつか書く予定なんですけど……エレンには二人の関係バレてる設定です。
バレる話はいつか書く予定です。
バレた時期は、調査兵団にエレンが入って一か月以内とだけ言っておきます。エレンは黙っててくれてます。
この話、ほぼハンジ中心で主人公あまり出てなかったのでリヴァイとの甘い話を別で書いてます!バレンタイン企画ですもの!
内容は、この『特別なクッキーの理由』でハンジがリヴァイの部屋に突撃する前。クッキーを主人公がリヴァイに渡しに行った場面を書いてます。
それがこちら⇒特別なクッキー
良かったら、こちらも読んでみてください。
それではまた!
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