特別なクッキーの理由
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――……‥‥
「リヴァイ! 失礼するよ!」
突然ドアを開け、叫ぶハンジにリヴァイの眉間には一瞬にして皺が寄った。
「てめぇ、ノックぐらいしやがれ。もし俺が取り込み中だったら、今頃あの世だ」
「怖っ! でも、あの世に逝かされる程のことって何なのか聞きたいところだね」
「……チッ。何の用だ」
面倒だと思ったリヴァイは早く用件を言えと促した。
「あーそうそう。エレンの実験のことなんだけどねぇ。やってみたいこと、まとめてみたんだ! やっていいよねぇ!」
エレンの上司であるリヴァイの許可なくして実験は出来ない。
本当はすっ飛ばして、エレンの同意のみで進めたいハンジだったが後が怖いのでしっかりと確認を取る。
ハンジから紙を受け取ったリヴァイは目を通していく。
「ってか、休憩中だった?……ん?」
リヴァイの机の上には、紅茶と数枚のクッキーが置いてあった。
しかし、そのクッキーにハンジは違和感を覚えじっと見つめた。
「問題ねぇ」
ハンジの視線に気付かないリヴァイは一言告げると、数ページに及ぶ実験提案に集中した。
――数分後、読み終えたリヴァイは紙をハンジに突き返した。
「一番最後とその前のは許可してやる。だが、他は許可出来ねぇ」
「ぇえええ! 何で!? 他が重要なのに! 特に一番最初と二番目! これはどうしても実験したい!」
「駄目だ。エレンの負担を考えると何が起こるか分からねぇ。暴走するかもしれねぇだろうが」
「それを止めるのがリヴァイでしょ!? エレンは良いって言ってくれたよ!」
「エレンは自分の限界をやってみてからはかるやつだ。それは別に悪い事じゃねぇが、危なっかしい。とにかく……上官としちゃこれは許可出来ねぇ」
何としてでも突き返そうとするリヴァイに、ハンジはむぅと脹れた。
そして、リヴァイの机上にあるクッキーを指さし
「リヴァイ。それは誰から貰ったの」
と聞いた。
「あ?」
「それ、どう見ても誰かの手作りだよね」
数枚のクッキーは全部違う見た目をしていた。
リヴァイは答えなかった。その反応に、ハンジはニヤリと口元に笑みを浮かべる。
「誰から貰ったのかなぁ……?」
「……これは、買ったものだ」
「嘘。私を嘗めないで。買ったものと作ったものの区別くらいつくよ。さて、リヴァイ。交渉をしよう」
ハンジのメガネが光った。
「このクッキーのことは黙っておいてあげる。誰にも言わないよ。リヴァイが人から貰ったものを食べてた、なんて。潔癖の貴方がもしその事実を周りに知られたら、皆気になって探るだろうねぇ。もしかして、好い人がいるんじゃないかって思って。……忙しいねぇ、リヴァイ」
半ば脅しのような文句に、リヴァイは舌打ちをした。
「何が目的だ」
「簡単な事さ! ここに! この紙に! 許可のサインを書くだけ! そうすれば、このクッキーのことは忘れてあげるよ」
そう言って、新しい紙をリヴァイの前に差し出した。
それは先程のエレンの実験を全て許可するという承諾書であった。
「リヴァイ! 失礼するよ!」
突然ドアを開け、叫ぶハンジにリヴァイの眉間には一瞬にして皺が寄った。
「てめぇ、ノックぐらいしやがれ。もし俺が取り込み中だったら、今頃あの世だ」
「怖っ! でも、あの世に逝かされる程のことって何なのか聞きたいところだね」
「……チッ。何の用だ」
面倒だと思ったリヴァイは早く用件を言えと促した。
「あーそうそう。エレンの実験のことなんだけどねぇ。やってみたいこと、まとめてみたんだ! やっていいよねぇ!」
エレンの上司であるリヴァイの許可なくして実験は出来ない。
本当はすっ飛ばして、エレンの同意のみで進めたいハンジだったが後が怖いのでしっかりと確認を取る。
ハンジから紙を受け取ったリヴァイは目を通していく。
「ってか、休憩中だった?……ん?」
リヴァイの机の上には、紅茶と数枚のクッキーが置いてあった。
しかし、そのクッキーにハンジは違和感を覚えじっと見つめた。
「問題ねぇ」
ハンジの視線に気付かないリヴァイは一言告げると、数ページに及ぶ実験提案に集中した。
――数分後、読み終えたリヴァイは紙をハンジに突き返した。
「一番最後とその前のは許可してやる。だが、他は許可出来ねぇ」
「ぇえええ! 何で!? 他が重要なのに! 特に一番最初と二番目! これはどうしても実験したい!」
「駄目だ。エレンの負担を考えると何が起こるか分からねぇ。暴走するかもしれねぇだろうが」
「それを止めるのがリヴァイでしょ!? エレンは良いって言ってくれたよ!」
「エレンは自分の限界をやってみてからはかるやつだ。それは別に悪い事じゃねぇが、危なっかしい。とにかく……上官としちゃこれは許可出来ねぇ」
何としてでも突き返そうとするリヴァイに、ハンジはむぅと脹れた。
そして、リヴァイの机上にあるクッキーを指さし
「リヴァイ。それは誰から貰ったの」
と聞いた。
「あ?」
「それ、どう見ても誰かの手作りだよね」
数枚のクッキーは全部違う見た目をしていた。
リヴァイは答えなかった。その反応に、ハンジはニヤリと口元に笑みを浮かべる。
「誰から貰ったのかなぁ……?」
「……これは、買ったものだ」
「嘘。私を嘗めないで。買ったものと作ったものの区別くらいつくよ。さて、リヴァイ。交渉をしよう」
ハンジのメガネが光った。
「このクッキーのことは黙っておいてあげる。誰にも言わないよ。リヴァイが人から貰ったものを食べてた、なんて。潔癖の貴方がもしその事実を周りに知られたら、皆気になって探るだろうねぇ。もしかして、好い人がいるんじゃないかって思って。……忙しいねぇ、リヴァイ」
半ば脅しのような文句に、リヴァイは舌打ちをした。
「何が目的だ」
「簡単な事さ! ここに! この紙に! 許可のサインを書くだけ! そうすれば、このクッキーのことは忘れてあげるよ」
そう言って、新しい紙をリヴァイの前に差し出した。
それは先程のエレンの実験を全て許可するという承諾書であった。