見つめてくる
名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「何か、すっげー見られてる気がする」
賑わう食堂の中で視線なんていっぱいあるのに何を言っているのだ、という目を向かいに座るアルミンは向けて来た。
けど、そうじゃない。
後ろを恐る恐る振り向けば、少し離れたテーブルに座る女が俺をじっと見つめている。
あの人だけが俺を見てくるのだ。
「何なんだよ……」
また体勢を前向きに戻すと、アルミンと目が合った。
「エレンが珍しいんじゃない?」
「はぁ?」
「だって、ほら……巨人になれる人間なんて、人類にとって衝撃的な事実なわけだし」
「そんな視線じゃねぇよ、あれは。というか、俺が調査兵団に入ってもう数か月は経ってる。今更そんな目で見ねぇだろ」
朝食のパンに噛り付きながら応えると、アルミンは「じゃあどういう視線なの」と返してきた。
「ん……どうって……」
再び振り返れば、ばっちり目が合ってしまった。
すると、今度は女がハッとしたように目を逸らし席を立った。
「今、どこかへ行った女の人だろ? エレンが気になってるの」
「まぁ……。でも、今だけじゃないんだよ。ここ最近ずっとあの人に見られてる気がする」
「え? 気のせいじゃなくて?」
「いや、気のせいじゃねぇ。今みたいに目が合うとどっかへ行くし、なんつーか不気味な感じだ」
そうだ、まるで――
「俺を哀れむかのような……」
「巨人になれるエレンを哀れんでるってこと? あ、ごめん。その……普通とは違うことだし……」
「謝ることはねぇよ。俺は嘆いてるわけじゃないしな。けど、そんなんじゃないんだよ。あの視線は」
考えてみるが、やっぱり分からん。
するとアルミンが
「じゃあさ、もう直接聞きなよ」
ととんでもない提案をしてきた。
「はぁ!? 嫌だよ!」
「え、何で? 気になるんでしょ? 何で見るのかなんて本人以外知らないじゃない」
「いや、まぁそうだけどよ……」
確かにアルミンの言う通りではある。
だが、あの不気味な女に話しかける勇気がない。
「エレンらしくないね。君は気になることは聞くタイプかと思ったんだけど」
「あぁ、普通だったら聞く。けど、なんつーか……あの女は、な……」
「じゃあ僕も一緒に行くよ。これならどう?」
アルミンのその提案が俺にとって救いだった。
一人じゃなきゃまだマシかもしれない。
俺はアルミンに頼る事にした。
賑わう食堂の中で視線なんていっぱいあるのに何を言っているのだ、という目を向かいに座るアルミンは向けて来た。
けど、そうじゃない。
後ろを恐る恐る振り向けば、少し離れたテーブルに座る女が俺をじっと見つめている。
あの人だけが俺を見てくるのだ。
「何なんだよ……」
また体勢を前向きに戻すと、アルミンと目が合った。
「エレンが珍しいんじゃない?」
「はぁ?」
「だって、ほら……巨人になれる人間なんて、人類にとって衝撃的な事実なわけだし」
「そんな視線じゃねぇよ、あれは。というか、俺が調査兵団に入ってもう数か月は経ってる。今更そんな目で見ねぇだろ」
朝食のパンに噛り付きながら応えると、アルミンは「じゃあどういう視線なの」と返してきた。
「ん……どうって……」
再び振り返れば、ばっちり目が合ってしまった。
すると、今度は女がハッとしたように目を逸らし席を立った。
「今、どこかへ行った女の人だろ? エレンが気になってるの」
「まぁ……。でも、今だけじゃないんだよ。ここ最近ずっとあの人に見られてる気がする」
「え? 気のせいじゃなくて?」
「いや、気のせいじゃねぇ。今みたいに目が合うとどっかへ行くし、なんつーか不気味な感じだ」
そうだ、まるで――
「俺を哀れむかのような……」
「巨人になれるエレンを哀れんでるってこと? あ、ごめん。その……普通とは違うことだし……」
「謝ることはねぇよ。俺は嘆いてるわけじゃないしな。けど、そんなんじゃないんだよ。あの視線は」
考えてみるが、やっぱり分からん。
するとアルミンが
「じゃあさ、もう直接聞きなよ」
ととんでもない提案をしてきた。
「はぁ!? 嫌だよ!」
「え、何で? 気になるんでしょ? 何で見るのかなんて本人以外知らないじゃない」
「いや、まぁそうだけどよ……」
確かにアルミンの言う通りではある。
だが、あの不気味な女に話しかける勇気がない。
「エレンらしくないね。君は気になることは聞くタイプかと思ったんだけど」
「あぁ、普通だったら聞く。けど、なんつーか……あの女は、な……」
「じゃあ僕も一緒に行くよ。これならどう?」
アルミンのその提案が俺にとって救いだった。
一人じゃなきゃまだマシかもしれない。
俺はアルミンに頼る事にした。
1/4ページ