ホークスに雄英バリア内まで送っていってもらったあと。
ベストジーニストと合流したホークス視点。

――――


「ジーニストさんお待たせしてすみません」


ジーニストさんの車に乗って、開口一番謝罪。結構待たせてしまった。


「問題ない。No.1からホークスが女性と必要な話をしていると聞いていたからな」

「エンデヴァーさん連絡してくれたんですね。すみません、九州でお世話になった人でして」


俺がシートベルトをするのを確認して、ジーニストさんは車を発車させた。
車を走らせてしばらくは無言だった。これからのことを考えていると、突然ジーニストさんが口を開いた。


「……彼女じゃないのか？」

「え？」

「さっきの。彼女だと思ったが」


エンデヴァーさんが……いや、あの人はそれを言いふらすような人じゃない。それに口ぶりからジーニストさんの予測だと思った。


「分かりました？」

「やはりそうか。でなければ、九州からわざわざ雄英にまで来ないだろう。健気だな」


さすがジーニストさん。断片的な話だけで状況を理解している。


「……本当、俺にはもったいないくらいの女（ひと）ですよ。沢山迷惑をかけました」

「お前は色々と背負うものもあるから、悩むこともあったんじゃないか。けど彼女はそれでもお前を選んだ。じゃなきゃこんな混沌の世界でお前を追ってきたりなんかしない。切り捨ててもおかしくない状況ではないのかな？　彼女とお前はデニムのようにしっかりとしている」

「……いえ、それはどうですかね」


俺の呟きに、ジーニストさんがどういうことかと感じている気配がした。


「俺が離したくなくて……彼女を縛り付けたって言った方が正しいです。言葉で。俺から離れられないように。聡いんで気付いているでしょうけど、気付いてないフリをしてくれてます」

「まさか……！　話したのか！？」

「彼女は秘密を守ってくれるし、大丈夫です」


酷い男だと言われようとも、愛しすぎて離したくない。それが俺の本心だから。
全て終わらせたら、彼女とどこまでも一緒に生きていきたい。今度は少し自分の気持ちに素直になってみようと思った。




おまけ終わり