同級生の八木君に恋してる
夢小説設定
この章の夢小説設定【概要】
オールマイト、八木俊典は雄英高校時代のヒーロー科の同級生。ずっと恋をしていた。
還暦前になっても独身の貴女は彼をずっと引きずっていて――。
同窓会を経て再会する。
【備考】
同級生として多少オリキャラ出てきます。
名前変換自体少ないかも。
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――……‥‥
「ごめん! 遅れちゃって!」
オールマイト……八木君が両手を合わせながら登場したのは、同窓会開催から二時間経とうとした時だった。
「来たかー! 八木、おせぇぞ!」
「ごめんごめん、ちょっと道中に敵がいて時間かかっちゃってさ」
「ニュースみたよ。相変わらずだなぁ」
「でももうお開きの時間だぞ?」
「え!? もう!? それはごめん!」
皆もう帰ろうか、でも八木が来ないなーってなっていたとこではあったのだ。
「まーでもせっかく来たし、もう少しいようか」
「八木、酒飲まないんだろ?」
「飲めないから……」
八木君に席を開けて座らせる様子を眺めていることしかできない。
私はまだ彼を好きではあるが、最後の告白をした二十代半ば以降、関わりがなくなり話しかける勇気はなかったのだ。
ただ、この様子を眺めていることしかできない。
同級生の男たちが八木君に話しかけ、教師生活はどうだとか久々の雄英はどうだとか、今のヒーロー志望の子供達はどうだとか聞いていた。
今はもう引退して一般人になったが、ヒーローの世界には興味が尽きないのだ。
オールマイトがいるってことで提供にきた店員さんはガチガチに緊張している。
目立つ彼の存在は居酒屋に入ったときから、騒ぎになったのだろう。個室ではあるが、他の客がこっそり覗きにきていた。
元ヒーローの我々はその度に「プライベートだから解散してください」と声をかけた。
「生のオールマイト、すげぇ……! 作画が違う……!」
と呟いて去っていた他の客や店員さんに少し笑ってしまった。
――……‥‥
「油谷さん、こんなところで何してるのかな?」
「は……? え? や、八木君!? なんでここに!?」
八木君が来て二十分程経った時、私はトイレに行きついでに電話をしようと居酒屋の外に出た。
電話を終えたとこで、後ろから声をかけられ振り向くと八木君がそこにはいた。
居酒屋の前を歩く人がオールマイトの存在にざわざわしている。ある意味恥ずかしい。
「あー……私はもうそろそろ帰ろうと思って」
「もう?」
「ちょっと色々と時間が……」
教師になっても忙しいのか彼は。
「凄いよね八木君は」
「え?」
「この歳でまだNo.1ヒーローのままで、誰もが憧れるヒーローやってて……夢、叶えてるから」
「んー……そうだなぁ。確かに私も目指す平和の象徴になれたとは思うけど、目標はまだまだ叶ってないこともあるさ。教師としては新米で分からないことだらけだしね。……でも常に前進さ! プルスウルトラってやつだ。ところで君はここで何を?」
「私は電話してたの。今、私はヒーロー辞めたけど実は八木君と同じ教師やってる。その関係の電話だよ」
「それは! 私の先輩じゃないか!」
「いやいや、教師といっても中学の教師よ。ヒーロー科じゃない」
「それでも教師という立場では先輩さ。色々教えてもらいたいな」
「えー?」
「冗談じゃないぞ。あ、そうだ。連絡先交換しよ」
「え?」
「私、十五年くらい前に敵との戦闘で携帯壊しちゃってね。全部消えちゃって。壊れた後に再会した人とは交換してたんだけどね……。君は壊れてから会うの初めてだから」
「な、なるほど」
八木君が同窓会にくることが珍しかった。だから今までそんなことが起こって連絡つかなくなってることに気付かなかった。
「チャットアプリが今はあるからそれがいいかな? やってる?」
「うん、やってるよ」
連絡先を交換し、オールマイトの文字がチャットアプリに追加される。
「八木君、オールマイトって名前で登録してるのね」
「プライベートと仕事でアカウント分けるっていうのが苦手で……全部一緒だからさ」
「八木君らしい」
そういって八木君を見上げた。
……ん? なんか……八木君の体から白い煙が出ている。そしてこころなしか震えているような?
「八木君、大丈夫?」
「ん、大丈夫大丈夫」
「煙出てるよ!? 震えているし大丈夫!?」
「これは、その、あれだ! 気合の蒸気だ!」
「気合の蒸気!? 何それ!」
「あー! ごめん! もう行かないと! 誰かの助けを呼ぶ声がする!」
「は? え?」
「じゃあ油谷さん! また会おう! また連絡するよ!」
八木君は私の知る限り、今までにない早口で別れを告げて今までにないスピードで去っていった。
「……なんだったの」
――八木君と別れ、店内に戻ると丁度三吉君がお金を集めているところだった。
私の姿を見つけると「早く出せ」と催促された。
八木君のも私たちで割り勘になったと羽菜が教えてくれた。
八木君は「私が奢るよ。遅くなったし」と言っていたらしいが、三十分くらいしかいなかったしあんまり食べてないから「それは駄目」と皆が一斉に口を揃えたらしい。
いつも平和を守ってくれているので逆に奢りますってなったらしく、八木君は渋々了承したらしい。
そしてお開きになった。二次会は行く人と行かない人がいて、私は行かなかった。
が、
「オールマイト、道端で女性と連絡先交換」
というネットニュースが二次会中に出たらしく、そこには目に黒線が入ってるものの明らかに私とのツーショットだった。
「色々聞きたかった! 何で帰ったんだ!」と皆から言われた。
八木君からもメッセージが来て、謝られた。