第二部
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11.猫にまただび
(※R15にするか迷いましたが、動物的?なので普通指定でいきます)
原田は自室の前の縁側で、まったりと日向ぼっこをしていた。
猫になってしまって数日――。みーこが人間になった時、すぐに戻ったように自分もすぐに人間に戻ると思っていた。しかし、数日経った今も原田は猫のまま。
新選組の仕事もあるが、この体のままでは何もできない。焦っても仕方ないことなので、こうして原田はのんびり日向ぼっこをしている。
といっても、それは言い訳なのかもしれない。
(猫の習性なのか、どうにも暖かいとこに来ちまうな)
日向ぼっこをするつもりではないのに、気付けば足が赴く。
原田は数日の猫生活で、意図せずことを多く経験していた。
うとうとしていると、ふと身体に感触が。目を開けると、みーこの顔が間近にあった。
「何やってんだ?」
「んー?」
原田に身を寄せ、身体を擦るみーこ。
柔らかい毛が互いに触れ合うが、熱くはなくむしろ心地よさを感じた。
「そうやって腹見せてると、また総司にくすぐられるぞ」
「大丈夫。今いないもん。左之、遊ぼうよ」
もちろん、猫にしか分からない会話である。人間からみれば、いちゃついてる猫にしか見えない。
いや、実際そうなのだがみーこはあくまで遊ぼうと言っている。
「遊ぶって、お前が求めてんのは遊びじゃなくて俺の愛だろ?」
「違うし! 遊びだよ?」
「そう言って、俺の首元舐めてんのはどこのどいつだ?」
猫特有の柔らかい身体を駆使して、原田はみーこの後ろ首を噛んだ。
「う……」
「全くお前は素直じゃねぇな」
「……左之だって、猫らしくない」
「そりゃ、俺は人間だからな。元は」
その時だった。みーこが、スッと立ち上がった。
「どうした?」
首を傾げる原田に、みーこは
「また後でね!」
と、説明する事なく小走りで去った。どこか慌てているような声色に、何だと思っているとこちらに向かって来る足音が耳元に届いた。
「あ、左之さん見つけた」
声の人物に目を向けると、そういうことかと納得する。
そこにいたのは、みーこの苦手とする沖田だった。
「にゃー」
よぉ、と挨拶したが沖田には鳴き声にしか聞こえない。
そして、沖田は原田の横に腰かけた。その手には布袋が握られている。
「実は、さっき良い物見つけたんだ」
どこか弾むような声色の沖田に、原田は不安を感じた。
布袋に手を突っ込み、取り出したのは緑色の葉が付いた植物だった。
つんとした匂いが鼻を突く。
(何だこれ?)
「これね、今の左之さんにとって良い物だよ」
原田の目の前にそれを突きつけた。原田は、それを匂うと思わず舐めてみる。
そんなことをしたくないのに、身体が勝手に動いたのだ。
「やっぱり気になるでしょ。それね、またたびだよ」
沖田がそう告げるも、もう原田はそれに夢中だった。
「もう完全に猫になっちゃったね。また今度持って帰ってあげるよ」
沖田は立ち上がると、その場を去った。
――……‥‥
しばらく、原田は横になってまたたびにじゃれていた。
するとみーこが戻ってきて、そのまたたびに顔を近付けた。
「これ、またたび? そんなのより、遊ぼうよ」
「んー? あぁ、みーこか」
「……左之?」
またたびからみーこに視線を移す原田の目は、いつもと違っていた。
立ち上がり、みーこの身体に自分の身体を擦り始めた。
「!?」
明らかにいつもはしない行動に、みーこは驚く。原田と視線を合わせようと試みる。
「左之? どうしたの?」
「……」
「……? ちょっ!」
にゃぁああ、と猫の叫ぶ声が屯所に木霊した。しかし、猫が屯所にいるのは常なので誰も気にしない。
残されたまたたびは、別の猫が持ち去った。
11.猫にまたたびEND
⇒12へ続く
~おまけ~
「なぁ、一君。猫って発情期だっけ?」
「いや、俺は猫の習性について詳しくは知らない。猫のことは総司に聞け」
「僕、猫博士じゃないんだけど。でも平助、どうしてそんなこと聞くの?」
「んー、さっきさ発情期のような猫の声がしたんだけど、毎年この時期って猫発情期だっけ? と思って」
「あー……それ、左之さんかもね」
「は!?」
「どういうことだ、総司」
「さっき、左之さんにまたたびをね。左之さんは元は人間だし、猫の発情時期とか関係ないんじゃない?……あれ? 何で二人ともそんな微妙な顔?」
おまけEND
(※R15にするか迷いましたが、動物的?なので普通指定でいきます)
原田は自室の前の縁側で、まったりと日向ぼっこをしていた。
猫になってしまって数日――。みーこが人間になった時、すぐに戻ったように自分もすぐに人間に戻ると思っていた。しかし、数日経った今も原田は猫のまま。
新選組の仕事もあるが、この体のままでは何もできない。焦っても仕方ないことなので、こうして原田はのんびり日向ぼっこをしている。
といっても、それは言い訳なのかもしれない。
(猫の習性なのか、どうにも暖かいとこに来ちまうな)
日向ぼっこをするつもりではないのに、気付けば足が赴く。
原田は数日の猫生活で、意図せずことを多く経験していた。
うとうとしていると、ふと身体に感触が。目を開けると、みーこの顔が間近にあった。
「何やってんだ?」
「んー?」
原田に身を寄せ、身体を擦るみーこ。
柔らかい毛が互いに触れ合うが、熱くはなくむしろ心地よさを感じた。
「そうやって腹見せてると、また総司にくすぐられるぞ」
「大丈夫。今いないもん。左之、遊ぼうよ」
もちろん、猫にしか分からない会話である。人間からみれば、いちゃついてる猫にしか見えない。
いや、実際そうなのだがみーこはあくまで遊ぼうと言っている。
「遊ぶって、お前が求めてんのは遊びじゃなくて俺の愛だろ?」
「違うし! 遊びだよ?」
「そう言って、俺の首元舐めてんのはどこのどいつだ?」
猫特有の柔らかい身体を駆使して、原田はみーこの後ろ首を噛んだ。
「う……」
「全くお前は素直じゃねぇな」
「……左之だって、猫らしくない」
「そりゃ、俺は人間だからな。元は」
その時だった。みーこが、スッと立ち上がった。
「どうした?」
首を傾げる原田に、みーこは
「また後でね!」
と、説明する事なく小走りで去った。どこか慌てているような声色に、何だと思っているとこちらに向かって来る足音が耳元に届いた。
「あ、左之さん見つけた」
声の人物に目を向けると、そういうことかと納得する。
そこにいたのは、みーこの苦手とする沖田だった。
「にゃー」
よぉ、と挨拶したが沖田には鳴き声にしか聞こえない。
そして、沖田は原田の横に腰かけた。その手には布袋が握られている。
「実は、さっき良い物見つけたんだ」
どこか弾むような声色の沖田に、原田は不安を感じた。
布袋に手を突っ込み、取り出したのは緑色の葉が付いた植物だった。
つんとした匂いが鼻を突く。
(何だこれ?)
「これね、今の左之さんにとって良い物だよ」
原田の目の前にそれを突きつけた。原田は、それを匂うと思わず舐めてみる。
そんなことをしたくないのに、身体が勝手に動いたのだ。
「やっぱり気になるでしょ。それね、またたびだよ」
沖田がそう告げるも、もう原田はそれに夢中だった。
「もう完全に猫になっちゃったね。また今度持って帰ってあげるよ」
沖田は立ち上がると、その場を去った。
――……‥‥
しばらく、原田は横になってまたたびにじゃれていた。
するとみーこが戻ってきて、そのまたたびに顔を近付けた。
「これ、またたび? そんなのより、遊ぼうよ」
「んー? あぁ、みーこか」
「……左之?」
またたびからみーこに視線を移す原田の目は、いつもと違っていた。
立ち上がり、みーこの身体に自分の身体を擦り始めた。
「!?」
明らかにいつもはしない行動に、みーこは驚く。原田と視線を合わせようと試みる。
「左之? どうしたの?」
「……」
「……? ちょっ!」
にゃぁああ、と猫の叫ぶ声が屯所に木霊した。しかし、猫が屯所にいるのは常なので誰も気にしない。
残されたまたたびは、別の猫が持ち去った。
11.猫にまたたびEND
⇒12へ続く
~おまけ~
「なぁ、一君。猫って発情期だっけ?」
「いや、俺は猫の習性について詳しくは知らない。猫のことは総司に聞け」
「僕、猫博士じゃないんだけど。でも平助、どうしてそんなこと聞くの?」
「んー、さっきさ発情期のような猫の声がしたんだけど、毎年この時期って猫発情期だっけ? と思って」
「あー……それ、左之さんかもね」
「は!?」
「どういうことだ、総司」
「さっき、左之さんにまたたびをね。左之さんは元は人間だし、猫の発情時期とか関係ないんじゃない?……あれ? 何で二人ともそんな微妙な顔?」
おまけEND