告白週間
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着いた場所は、車で小一時間。確かにここなら知っている人と遭うことはないだろう。
しかしそこは――
「ここって……」
「一度来たら、まだ残ってた。どうしてもお前を連れて来たかった」
サングラスを外せば、鮮明に見える巨木の緑葉。今は葉しかないが、これは紛れもなく“あの”桜の木だった。
「覚えてるか?」
「……当然。初めて京に来てから、初めて一緒に行った、あの桜の木だよね?」
「そうだ。この丘、あそこに見えてんのは五重塔だろ?」
昔と風景が変わってるけど。流石、京都。歴史ある建物が、この場所が二人の思い出の一カ所であるということを示していた。
「ってことは、ここは壬生寺の近くか……やっぱ少し変わってるね」
「寂しいもんだよな……。俺達の記憶にあるのはもう、150年前のものなんだぜ。不思議でしょうがねぇ」
明治を迎え、急速に入ってきた西洋のもの。私たちが守ろうとした日本の文化・風土がまだ目に見ることが出来るところは少ない。京都もその一つだけど、その京都でも自転車・自動車・パン屋・ケーキ屋――外国や文明の進化がもたらしたものが目につく。
「負けたんだね……」
呟いたそれは、風に消された。もう一度、桜の木を見る。この木は、何百年もこの地を見守っているのだろうか。私たちがこの木の許を訪れたのは、長い歴史の中の端の端なんだろうけど、私たちには印象強い記憶。
桜の蕾をつけたこの木の大きさに「咲いたら綺麗なんだろうね」と仰いだ。後々見に行ったけど、桜が沢山白桃色に咲き誇っていた。(二人で行くことになってたけど、総司が着いて来たっけ)
懐かしい記憶に私は思わず
「先生、ありがとう」
と口にしていた。本当に何も考えてなかった。もう癖のようなものなのかな。
しかしそこは――
「ここって……」
「一度来たら、まだ残ってた。どうしてもお前を連れて来たかった」
サングラスを外せば、鮮明に見える巨木の緑葉。今は葉しかないが、これは紛れもなく“あの”桜の木だった。
「覚えてるか?」
「……当然。初めて京に来てから、初めて一緒に行った、あの桜の木だよね?」
「そうだ。この丘、あそこに見えてんのは五重塔だろ?」
昔と風景が変わってるけど。流石、京都。歴史ある建物が、この場所が二人の思い出の一カ所であるということを示していた。
「ってことは、ここは壬生寺の近くか……やっぱ少し変わってるね」
「寂しいもんだよな……。俺達の記憶にあるのはもう、150年前のものなんだぜ。不思議でしょうがねぇ」
明治を迎え、急速に入ってきた西洋のもの。私たちが守ろうとした日本の文化・風土がまだ目に見ることが出来るところは少ない。京都もその一つだけど、その京都でも自転車・自動車・パン屋・ケーキ屋――外国や文明の進化がもたらしたものが目につく。
「負けたんだね……」
呟いたそれは、風に消された。もう一度、桜の木を見る。この木は、何百年もこの地を見守っているのだろうか。私たちがこの木の許を訪れたのは、長い歴史の中の端の端なんだろうけど、私たちには印象強い記憶。
桜の蕾をつけたこの木の大きさに「咲いたら綺麗なんだろうね」と仰いだ。後々見に行ったけど、桜が沢山白桃色に咲き誇っていた。(二人で行くことになってたけど、総司が着いて来たっけ)
懐かしい記憶に私は思わず
「先生、ありがとう」
と口にしていた。本当に何も考えてなかった。もう癖のようなものなのかな。