告白週間
名前変換
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「……へたこ☆」
「!」
一瞬にして時が止まった気がした。今まで苗字呼びだったのに、名前で呼ばれるなんてありえなかった。
「今度は、絶対離さねぇから」
「どういう……」
「覚えてるのは、お前や総司だけじゃねぇよ」
そこで初めて理解した。前世を忘れていると思ってた。覚えているのは、私と総司だけかと思っていた。
けど、それは私の思い込みだったようだ。
「あの頃とは違う」
耳元で呟かれた言葉に、記憶が遡る。
――……‥‥
「左之さん、やっぱり私は新選組と生きていく」
「……」
「左之さんと別れたくないけど、新選組と一緒に生きて新選組と過ごしてきた。新選組に最初からいたせいか、最期まで新選組を見離したくないの」
日暮れ間近だった。歴史上では、左之さんと新八さんが新選組に不満を持ち、近藤さんと合わなくなってきたという、まさにその時。私も一緒に抜けよう、と誘われたのだ。だけど、すぐに返事が出来なかったのは新選組が結構好きで、帰る場所だと強く感じていたから。
左之さんと一緒にいたいと思った。だけど、考えた結果は新選組に残るという選択だった。
「……そりゃ、俺だって同じだ。だけど俺は新選組という組織より、一緒に過ごした仲間が大切なんだよ。近藤さんと合わなくなって、離隊を決めた新八を理解してやれるのは俺だけだって思ってる。へたこ☆も、他の隊士より新八や俺と親しんでただろ?」
説得され、少し揺らいだ。でも、自分で決めたことを曲げたくなかった。
「……近藤さんの考えは、私も違うなとは思う。だけど、私はそれでも新選組についていく」
「へたこ☆……」
「土方さんがいなかったら、私は死んでたから」
そう話し始めたのは、私の人生。左之さんは知ってたけど、私は語った。
「幼い頃、親に捨てられて野垂れ死にするしかなかった私を拾ってくれた恩人だから。今度は、私が土方さんにお返しがしたい。左之さんと別れるのも嫌だけど、土方さんが助けてくれなかったら……左之さんにすら会えなかった。左之さんに会ったこと、本当に良かったと思ってる」
――……‥‥
後で、土方さんにこのことを知られてこっぴどく怒られた。左之さんと別れてまで、土方さんを理由に新選組を取ったから。けど、こうなったら仕方ないと「最期までついて来い」――そう土方さんは迎えてくれた。
結局、最後は土方さんが戦死。私は生き残ってしまった。
生涯、左之さんを忘れたことはなかった。
「!」
一瞬にして時が止まった気がした。今まで苗字呼びだったのに、名前で呼ばれるなんてありえなかった。
「今度は、絶対離さねぇから」
「どういう……」
「覚えてるのは、お前や総司だけじゃねぇよ」
そこで初めて理解した。前世を忘れていると思ってた。覚えているのは、私と総司だけかと思っていた。
けど、それは私の思い込みだったようだ。
「あの頃とは違う」
耳元で呟かれた言葉に、記憶が遡る。
――……‥‥
「左之さん、やっぱり私は新選組と生きていく」
「……」
「左之さんと別れたくないけど、新選組と一緒に生きて新選組と過ごしてきた。新選組に最初からいたせいか、最期まで新選組を見離したくないの」
日暮れ間近だった。歴史上では、左之さんと新八さんが新選組に不満を持ち、近藤さんと合わなくなってきたという、まさにその時。私も一緒に抜けよう、と誘われたのだ。だけど、すぐに返事が出来なかったのは新選組が結構好きで、帰る場所だと強く感じていたから。
左之さんと一緒にいたいと思った。だけど、考えた結果は新選組に残るという選択だった。
「……そりゃ、俺だって同じだ。だけど俺は新選組という組織より、一緒に過ごした仲間が大切なんだよ。近藤さんと合わなくなって、離隊を決めた新八を理解してやれるのは俺だけだって思ってる。へたこ☆も、他の隊士より新八や俺と親しんでただろ?」
説得され、少し揺らいだ。でも、自分で決めたことを曲げたくなかった。
「……近藤さんの考えは、私も違うなとは思う。だけど、私はそれでも新選組についていく」
「へたこ☆……」
「土方さんがいなかったら、私は死んでたから」
そう話し始めたのは、私の人生。左之さんは知ってたけど、私は語った。
「幼い頃、親に捨てられて野垂れ死にするしかなかった私を拾ってくれた恩人だから。今度は、私が土方さんにお返しがしたい。左之さんと別れるのも嫌だけど、土方さんが助けてくれなかったら……左之さんにすら会えなかった。左之さんに会ったこと、本当に良かったと思ってる」
――……‥‥
後で、土方さんにこのことを知られてこっぴどく怒られた。左之さんと別れてまで、土方さんを理由に新選組を取ったから。けど、こうなったら仕方ないと「最期までついて来い」――そう土方さんは迎えてくれた。
結局、最後は土方さんが戦死。私は生き残ってしまった。
生涯、左之さんを忘れたことはなかった。