思想と仲間
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9.最後の決意
※主人公視点→原田視点
「え、どういうこと?」
「だから、伊東先生が一人で出かけられたのだ」
「一人? 誰も付き添わなかったの?」
他の仲間から聞いた事実に嫌な予感が、ますます増した。
羅刹を知ってしまった。連日、夜にどこかへ行く。新選組との見えない亀裂。
そして、おかしかった斎藤君。
あの土方さんに忠実な彼が、そもそも伊東さんに寝返るだろうか。少なくとも斎藤君は、
「様々な考えを持つ者が所属してこそ、組織は広がりを見せるものだ。しかし無理な多様化を進めれば、内部から瓦解を始める可能性もある」
と言っていたくらいだし――。
「伊東先生は、一人で良いとおっしゃって。ただの接待だからと」
そう説明する仲間に、私は眉を顰めた。そして、一つの仮説が生まれる。
もし、斎藤君が密偵だとしたら。変な行動。よく御陵衛士上層部との会議に出席をしていた。出席していなかった私たちには知り得ない情報も多々あるだろう。
もし伊東さんが、新選組や幕府にとって危険な考えを持っていたら。
土方さんが放っておくわけがない。
※主人公視点→原田視点
「え、どういうこと?」
「だから、伊東先生が一人で出かけられたのだ」
「一人? 誰も付き添わなかったの?」
他の仲間から聞いた事実に嫌な予感が、ますます増した。
羅刹を知ってしまった。連日、夜にどこかへ行く。新選組との見えない亀裂。
そして、おかしかった斎藤君。
あの土方さんに忠実な彼が、そもそも伊東さんに寝返るだろうか。少なくとも斎藤君は、
「様々な考えを持つ者が所属してこそ、組織は広がりを見せるものだ。しかし無理な多様化を進めれば、内部から瓦解を始める可能性もある」
と言っていたくらいだし――。
「伊東先生は、一人で良いとおっしゃって。ただの接待だからと」
そう説明する仲間に、私は眉を顰めた。そして、一つの仮説が生まれる。
もし、斎藤君が密偵だとしたら。変な行動。よく御陵衛士上層部との会議に出席をしていた。出席していなかった私たちには知り得ない情報も多々あるだろう。
もし伊東さんが、新選組や幕府にとって危険な考えを持っていたら。
土方さんが放っておくわけがない。