思想と仲間
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「最初はさ、伊東さんについて行って天皇さんの武士になるってのは凄く正しいように思えた。けど、俺達が実際やってるのって孝明天皇の墓を守ることじゃん。それにさ、新選組との交流禁止っておかしくないか?」
「まぁ、確かに。友好的な離隊なだけに、ね」
「伊東さんにアレを見られたから、表と裏じゃ違うってのは分かってるけどさ。……最近の伊東さんも、こそこそどこかへ出かけてるみてーだし。何かもう後戻り出来ねぇって分かってるけど、本当にこれで良かったのかなって」
ここのところ、平助の言う通り伊東さんは頻繁にどこかへ出かけているようだった。しかも夜が多い。夜に出歩くなんて、怪しいことこの上ない。
天皇を守る、崇拝する。これは新選組も同じだ。彼らは京を守ることで幕府にも従い、天皇も敬う。伊東さんには、幕府はともかく天皇を敬い守る志がある。そう思っていた。
でも、もしそれが私の思い込みだったら。とんでもないことを企んでいたら。
天皇の陵墓を守る。それだけで、果たして伊東さんが満足するだろうか。
「民子?」
「!」
いけない――。つい自分の想像を事実と思ってしまった。
私は首を振る。
「ちょ、平助! 洗いすぎだって!」
「え? わぁあああ!」
「泡、泡がっ! ちょっと! こっちに手降らないでっ、散る!」
「ご、ごめん!!……はぁ、千鶴が懐かしいよ」
慌てる平助の奥に、屯所を出ていく斎藤君を見た気がした。
嫌な予感がする。それからほどなくして、伊東さんは近藤さんとの接待に出かけて行った。
7.予感 END
次の話へ(P22~)→
「まぁ、確かに。友好的な離隊なだけに、ね」
「伊東さんにアレを見られたから、表と裏じゃ違うってのは分かってるけどさ。……最近の伊東さんも、こそこそどこかへ出かけてるみてーだし。何かもう後戻り出来ねぇって分かってるけど、本当にこれで良かったのかなって」
ここのところ、平助の言う通り伊東さんは頻繁にどこかへ出かけているようだった。しかも夜が多い。夜に出歩くなんて、怪しいことこの上ない。
天皇を守る、崇拝する。これは新選組も同じだ。彼らは京を守ることで幕府にも従い、天皇も敬う。伊東さんには、幕府はともかく天皇を敬い守る志がある。そう思っていた。
でも、もしそれが私の思い込みだったら。とんでもないことを企んでいたら。
天皇の陵墓を守る。それだけで、果たして伊東さんが満足するだろうか。
「民子?」
「!」
いけない――。つい自分の想像を事実と思ってしまった。
私は首を振る。
「ちょ、平助! 洗いすぎだって!」
「え? わぁあああ!」
「泡、泡がっ! ちょっと! こっちに手降らないでっ、散る!」
「ご、ごめん!!……はぁ、千鶴が懐かしいよ」
慌てる平助の奥に、屯所を出ていく斎藤君を見た気がした。
嫌な予感がする。それからほどなくして、伊東さんは近藤さんとの接待に出かけて行った。
7.予感 END
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