思想と仲間
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5.山南さん
数日が経った。あれから私は、考えに考え抜いた。
だけど、やっぱり答えなんか見つからなかった。近藤さんが目指す、幕府による尊王――でも世間を見ると難しい。平和なのは良いけど、近藤さんの考えは男として潔くないのかもしれない。どっちつかずな考えは、異端。はっきりしろ、と世間から見れば嘲笑う。
伊東さんは尊皇派だけど、私も正直なところ天子様を敬いたい。でも、今まで政権が幕府にあったぶん朝廷に政治が上手く出来るだろうか。
武士が出てくるまでは、御上が政を行っていた。しかし、それはもう何百年も前のこと。
どちらかにつかねばならないのなら、私はどうしたら良いのだろうか。皆目見当がつかなかった。
――……‥‥
そういえば、山南さんは変若水を飲んだ。伊東さんには、山南さんは死んだと告げてある。
山南さんが、アレを飲んだ日。騒ぎが伊東さんに明るみになった。斎藤君が上手く誤魔化したけれど、それに伊東さんは不満を持ったらしい。
そりゃ、そうだ。参謀なのに、幹部の中で自分だけ何も説明されていないのだから。
それからだ。皆が伊東さんに接待され始めたのは。私も、伊東さんの部屋に呼ばれた日、それを挙げられた。
「感じが悪い」だの「自分も幹部なのに、おかしくないか」だの、色々。まぁ、アレのことは幕府の命令で内密だし、仕方ないのだが。
数日が経った。あれから私は、考えに考え抜いた。
だけど、やっぱり答えなんか見つからなかった。近藤さんが目指す、幕府による尊王――でも世間を見ると難しい。平和なのは良いけど、近藤さんの考えは男として潔くないのかもしれない。どっちつかずな考えは、異端。はっきりしろ、と世間から見れば嘲笑う。
伊東さんは尊皇派だけど、私も正直なところ天子様を敬いたい。でも、今まで政権が幕府にあったぶん朝廷に政治が上手く出来るだろうか。
武士が出てくるまでは、御上が政を行っていた。しかし、それはもう何百年も前のこと。
どちらかにつかねばならないのなら、私はどうしたら良いのだろうか。皆目見当がつかなかった。
――……‥‥
そういえば、山南さんは変若水を飲んだ。伊東さんには、山南さんは死んだと告げてある。
山南さんが、アレを飲んだ日。騒ぎが伊東さんに明るみになった。斎藤君が上手く誤魔化したけれど、それに伊東さんは不満を持ったらしい。
そりゃ、そうだ。参謀なのに、幹部の中で自分だけ何も説明されていないのだから。
それからだ。皆が伊東さんに接待され始めたのは。私も、伊東さんの部屋に呼ばれた日、それを挙げられた。
「感じが悪い」だの「自分も幹部なのに、おかしくないか」だの、色々。まぁ、アレのことは幕府の命令で内密だし、仕方ないのだが。