江戸女の一目惚れ
名前変換とあらすじ
この章の夢小説設定【概要】
永倉新八の姉である貴女
は、旅行に来た京で脱藩
した弟と再会する。
江戸女の気質からか行動
が早い貴女は、屯所に向
かうが途中で原田とぶつ
かり――。
【ページ数】
全9ページ
【備考】
・苗字は永倉で固定。
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「てめぇ……新八の姉だか何だか知らねぇが、俺が人相悪いのは俺がよく知ってんだよ!」
「それはそれは、申し訳ありません。しかし、分かっているのなら尚更。せめて女性の前だけでも笑ってみてはいかがですか? そう怖い顔してらっしゃいますと、女運が逃げてしまいます」
「姉ちゃんっ! 土方さん、すまねぇっ。……姉ちゃん、土方さん怒らすなよ。大体、土方さんはこのままでも十分に女にもてはやされてるから」
「じゃあ、もっともてはやされるわ。笑顔になったら」
ヒソヒソと話す新八とは正反対に、堂々と発言する私。その言葉に、腹がよじれるほど笑っていた青年がもっと笑った。
「……と、とにかく姉ちゃん。江戸に帰れって!」
「え、やだ。ここにいる」
「なっ」
場が凍った。
「近藤さん、私は父と喧嘩しまして家出中なんです」
「い、家出!?」
「新八黙ってて。……それで宿をとろうとしていたのですが、もうこんな刻限ですし」
辺りは薄暗くなっていた。今から宿をとるにも、暗くては行動できない。
それを近藤さんに訴えてみれば、彼は笑顔で「いいとも」とおっしゃって下さった。
しかし、それを却下したのは土方副長であった。
「トシ?」
「駄目だ。屯所に女は置けねぇ。明かりやるから、宿探せ」
「ちょ、土方さん。それは酷すぎやしねぇか?」
そう庇ってくれたのは、ちょっと小柄な男の子。
「確かに、平助の言う通り。僕も酷いと思うなぁ」
そう私に興味津々な目を向けて来るは、笑いの青年だ。
「珍しく反発するじゃねぇか、総司」
「だって、このお姉さん。とっても面白いんだもん」
「……そんな理由だと思ったぜ。駄目と言ったら駄目だ」
頑固な副長さんに、私はムッとした。だから言ってやることにしたのだ。