江戸女の一目惚れ
名前変換とあらすじ
この章の夢小説設定【概要】
永倉新八の姉である貴女
は、旅行に来た京で脱藩
した弟と再会する。
江戸女の気質からか行動
が早い貴女は、屯所に向
かうが途中で原田とぶつ
かり――。
【ページ数】
全9ページ
【備考】
・苗字は永倉で固定。
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「え、あ、その……」
「左之、悪い」
「新八、いきなり叫ぶんじゃねぇよ。で、捕まえたぜ?」
「ありがとな」
「誰だよ、この姉ちゃんは。というか、お前息切れすげぇな」
そんなやりとりも、私の耳には右から左。
もう、どうしていいか分からなかった。
「あー……走ったからな。この女は俺の姉ちゃんだ」
「はぁ!? お前、姉ちゃんなんていたのかよ!?」
「あぁ。けどこんなとこで会うとは思わなくてよ。新選組のこととか、近藤さんのこととか知っちまってさ。そしたら局長に挨拶するとか言って逃げたからよ」
「ははっ、お前は追いつけなかっったわけだ。……ところで、千鶴や隊士は?」
「……ぁあっ!」
「お前、まさか……。馬鹿だろ! とりあえず俺は今からちょいと出かけるから、ついでに見つけて帰ってくるわ」
新八と会話しているらしかったその人は、私の横をすり抜けた。
「あ」と気付けば、もう遠かった。
「姉ちゃん、相変わらず足が早いな」
「……」
「姉ちゃん?」
覗き込む新八に、私は攻め寄った。
「ねぇ!」
「ぅおっ、何だよ!?」
「今の! 今の誰!?」
すると新八は「左之のことか?」と答える。
「左之さんって言うの?」
「あぁ。本名は原田左之助。俺は左之って呼んでるけど、それがどうかしたのか?」
「左之助さん……」
私の変化に新八が気付くはずもなく、ただ首を傾げている。
「まぁ、良いけどよ。ここまで来たんだから仕方ねぇよな……近藤さん。局長に会うんだろ?」
「……え?」
「え、じゃねぇよ。挨拶するって言ってたじゃねぇか」
あぁ、そうだった。
目的をすっかり忘れていた私は、新八の案内で屯所に足を踏み込んだ。