間接被害~菓子を巡って~
名前変換とあらすじ
この章の夢小説設定【概要】
貴女は千鶴とお茶をしよ
うと、台所のお菓子を漁
っていた。千鶴の静止も
聞かず、貴女はある隊士
のお菓子に目を付けた。
そこから、間接的に別の
隊士へと被害が及ぶ――
。
【ページ数】
全7ページ
【備考】
・不憫な幹部が出てきま
す。
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千鶴は美和から鯣のことは、絶対内緒だよと言われていた。千鶴もこうなっては共犯だと、承諾したのだが――まさか、こんなに早く明るみになるとは。
千鶴が慌てて向かった先には、巡察前であろう美和の所だった。
「美和さんっ」
千鶴とて美和が巡察前だと分かっているから、あまり止めたくはなかった。
しかし、これはある意味一大事なのだ。それに、まだ人数が集まっていない(少ない)ようなので出発はもう少しであろうと判断して声をかけた。
「どうしたの!?」
抱き着くような勢いで、千鶴は美和に飛び付いた。受け止めるものの、その雰囲気に美和も驚きを隠せない。
千鶴は、小声で美和に言う。
「昨日の鯣の件、原田さんたちに知られそうですっ」
「え?」
「さっき、鯣を知らないかって……私、慌ててしまって。絶対、怪しまれました」
それを聞いて美和は、特に慌てる様子もなく平然と「何だ、もう発覚したの」と呟いた。
その時だった。千鶴を追いかけてきた、原田と永倉が来たのは。
しかし、美和が白状するわけなく。先手をかければ良いと、二人が口を開く前に声を発した。
「左之さん、新八さん! 千鶴ちゃんを虐めないで」
「はぁ!? 虐めてねぇよ」
「そうだぜ、俺達はただ千鶴ちゃんが何か知ってるんじゃないかって思ってよ。なぁ、左之」
あぁ、と答える原田は美和に事情説明と千鶴が何か知ってそうな反応を示したことを伝えた。
が、美和は千鶴の味方。千鶴と同じ側の人間なのだ。といっても、千鶴は巻き込まれた被害者なのだが――。
「千鶴ちゃんを疑うの?」
しかし、巻き込んだのは自分だと本当は分かっている美和だからこそ千鶴を庇う。だからと言って、美和が自分だと認めるわけないのだが。
「そんなんじゃねぇよ。千鶴、何か知ってんだろ?」
「え、えーと……」
「止めてよね! 千鶴ちゃん困ってんじゃん」
強気な美和に、千鶴はどうしたら良いのかとおろおろしていた。
「あの……」
「千鶴ちゃん、ちょっと黙ってて!」
「え、あ、はい……」
その様子を見て、原田と永倉は顔を見合わせた。違和感を覚えたのだろう。原田が、美和に疑問を投げる。
「おいおい、美和は何でそんな千鶴のこと庇うんだ?」
「それは……」
「それは?」
流石の美和も言葉に詰まる。このままではまずいと感じたのか、美和が搾り出した答えは――
「相談受けてたの!」
「「は?」」
原田と永倉の声が重なった。そして美和は、あろうことかとんでもないことを口にしたのだ。