間接被害~菓子を巡って~
名前変換とあらすじ
この章の夢小説設定【概要】
貴女は千鶴とお茶をしよ
うと、台所のお菓子を漁
っていた。千鶴の静止も
聞かず、貴女はある隊士
のお菓子に目を付けた。
そこから、間接的に別の
隊士へと被害が及ぶ――
。
【ページ数】
全7ページ
【備考】
・不憫な幹部が出てきま
す。
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しかし美和は、
「大丈夫、大丈夫。左之さんだし」
と、さっさとお茶を入れ袋を開けた。
「千鶴ちゃんも食べなよ」
そう言って美和は、千鶴の手を取り大量の鯣を乗せた。
「ぇえっ、こんなにいらないです! 流石にまずいと思いますけどっ」
「大丈夫大丈夫」
美和は、笑っていた。
――翌日。
「左之ー酒呑もうぜ」
「お前、まだ昼間だぜ」
「良いじゃねぇか! 非番だしよ!」
永倉が促すと、原田はそれじゃあ良いかと承諾する。
「しかし、酒はあるんだが何か食いてぇな」
「お、それなら確か鯣があったぜ」
「本当か!?」
「あぁ。この前、買ったんだぜ。高崎屋でな」
高崎屋と聞き、永倉は飛び跳ねた。
「ぅおっ、そりゃすげぇな!! よく買えたなー!」
「あぁ。店でも比較的安い方だったが……それでも高かったぜ」
「そんじゃ、取りに行ってくるか。菓子棚だろ? 俺が行ってくる!」
いつもは取りに行かない永倉だったが、高崎屋と聞き早くお目にかかりたい。
原田に先に呑んでてくれ、と一人部屋に残して部屋を出て行った。
が、そこに鯣はあるわけない。美和が、昨日取ってしまったのだから。
永倉は、手ぶらで部屋に帰ってくる。
「……左之、ねぇんだけど」
「は? よく探したのかよ。ちゃんとあるはずだぜ」
「ちゃんと探したって!」
永倉の言葉に、今度は二人で台所へ向かった。
台所につくと、原田は棚を探りはじめる。
「……ねぇな」
「だろ?」
「可笑しいな……奥底に隠したから、そう簡単に見つかるはずがねぇんだが」
原田が、なおも探していると
「何しているんですか?」
と声が響いた。二人が、振り向くとそこには空の湯呑みを持った千鶴がいるではないか。
「なぁ、千鶴ちゃん。ここにあった鯣知らねぇか?」
「え」
永倉の言葉に、湯呑みを台に置いた千鶴は固まった。冷や汗が伝う。
「俺の何だが、高崎屋って書いてあったんだが……千鶴、知らねぇよな?」
「……え、えーと」
千鶴は、思わず目を逸らしてしまう。
――知っている。美和さんが食べました。言えるわけがない。
気付けば千鶴は「わ、私は知りません!」と、走り去ってしまっていた。
「……」
「……怪しいな」
「あぁ、怪しいぜ。新八、行くか」
「当然だ!」
千鶴は何か知っている。そう思った二人は、千鶴の後を追いかけるべく台所を飛び出した。