もう一人の隊士
名前変換とあらすじ
この章の夢小説設定【概要】
新選組に捕らえられた、
雪村千鶴。詮議を受けた
あと、千鶴が逃亡を計ろ
うとした時、一人の女性
が現れる――。
【ページ数】
全10ページ
【備考】
・千鶴視点。
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「……え?」
死んだ?
死んでいた?
澪さんが、私が来る前に?
「そんな筈ありませんっ、私は確かに数ヶ月前に会って現にさっきも話しました!」
すると井上さんが
「雪村君。最初に朝霧君の話はしたことは覚えてるね?」
「はい」
「私はもういないと言った筈なんだが……」
「え、え!?」
衝撃を受けた。私は井上さんに、澪さんの話はされたことを覚えている。「女の子がいる」と。
しかし、それ以外は聞いた覚えがないのだ。
「僕は、千鶴ちゃんの言うこと信じるよ」
「沖田さん……」
「千鶴ちゃんに、澪ちゃんの話は皆してないよね」
頷く一同。
「僕だってしたことない。それでも、澪ちゃんのこと知っていた。だから、千鶴ちゃんの言うこと信じるよ」
沖田さんの言葉がきっかけか、斎藤さんも
「俺も雪村の話を信じよう」
と言ってくれた。
「一君が信じるなんて珍しい。幽霊とかそういう類、信じなさそうなのに」
「ゆ、幽霊!?」
「平助、うるさいよ」
ごめん、と小さく謝る平助君だったが動揺を隠しきれていない。
「俺は総司の言葉に共感しただけだ。雪村が澪を知ることは有り得ない。しかし、知っていた。幽霊かどうかはこの際どうでも良いが、澪を知っている雪村がいるのは事実だ」
「ふぅん……」
それを聞いて、平助君や原田さん永倉さん山南さん井上さん近藤さん――土方さんも信じると言った。
「ありがとうございますっ」
今思えば、澪さんは私の前にしか現れなかった。私が誰かといると見なくて、一人になった途端現れた。いつも、澪さんがいる時は他の誰もいなかった。
それから澪さんは死んでも屯所に残り、新選組を見守ってくれていると皆は結論を出した。
その日を境に、澪さんを見ることはなくなった。
~END~
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