もう一人の隊士
名前変換とあらすじ
この章の夢小説設定【概要】
新選組に捕らえられた、
雪村千鶴。詮議を受けた
あと、千鶴が逃亡を計ろ
うとした時、一人の女性
が現れる――。
【ページ数】
全10ページ
【備考】
・千鶴視点。
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このままでは殺されるかもしれない。私は父様を捜しに京へ来ただけというのに、なぜ命を失わなければならないのか。
どうしても、父様を捜さないといけない私は逃亡しようと決めた。
――新選組。京で、人殺し集団として有名だ。江戸から出てきたばかりの私は、見てはいけないものを見て新選組に連行された。
そこで詮議を受けたが、まずい展開になって軟禁状態。そして、斎藤さんという人に「良いようには転ばぬ」と言われた。
「そーっと、そーっと……」
自分にそう言い聞かせ、私は部屋の出入口まで近付いた。幸い、監視はいない。
そして、障子に手を掛けようとした時だった。それより速く、目の前の障子が開かれたのだ。
「!」
気付かれた、と思ったが見上げるとそこには初めて見る人がいた。驚いたのは、その人が女性だということ。一応、刀を差し男性用の着物を来ているが、晒しをしていなさそうなので隠してはいないようだ。
新選組に女性がいるというのは、最初の詮議前に井上さんに聞いていたけれど、詮議の場にはいなかったし何より女性だと分かりやすかったので意外だった。
「あ、あの……」
それでも、彼女は幹部。あの場にいなかったにしろ何かしら聞いているかもしれないし、逃げだそうとしたわけだから焦るわけで――。
「逃げるんだ?」
綺麗な声に思わずたじろいだ。責めるような台詞と合わせてだから、その圧力は増える。
「や、あの……私」
「ん?」
「やることがあるんです!!」
勢いに任せて横を通ろうとした。しかしそれは叶わなく、私は後ろに体勢を崩した。