今は昔
名前変換とあらすじ
この章の夢小説設定【概要】
貴女は、沖田総司に幼い
頃よく遊んでもらってい
た。大人になった貴女は
当時、同じく一緒に遊ん
でもらっていた親友と、
総司のことを思い出し語
る。
【ページ数】
全5ページ
【備考】
総司は、出てきません。
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主に、十か十一くらいの時の話をした。あの頃は、西洋から入ってくる色々なものに興味を持ち二人で見にいったものだ。
随分話し込んだ時、私はふと思い出した。
「みよの」
「ん?」
「私らが、七つくらいの時のこと覚えとる?」
すると、みよのは記憶を辿りはじめた。
「ほら、よく壬生寺で遊んでた頃の」
「あぁ! 覚えとる、覚えとる。よう、夕方まで遊んどったわ」
「その時にさ、よう遊んでくれた人のこと覚えとる?」
みよのは、直ぐに笑った。覚えているようだ。
「懐かしいなぁ。沖田さんやろ?」
「そう」
みよのは、小さい時こそ「総司君」と呼んでいたものの、大人の弁えというべきか――沖田さんと呼んだ。
私は、相変わらず「総司君」と呼ぶ。
なんせ私の中で「沖田総司」という人物は、あの頃と何の変りもなく存在しているものだから。総司君は総司君だ。
「でも、沖田さんは自分が“遊んでもらってる”って言うてたな」
「そうそう、おもろい人やったわ」
「……突然、おらんくなった」
「どうしたんかね」
「分からん。どこかで子どもたちと今でも、遊んどるんやないの?」
みよのの言葉に、思わず微笑んでしまう。あの人なら、あり得そうだ。
「どこにおるんかね。もう、会うことはないやろうけど……私らのこと覚えとらんやろなぁ」
「それでも、うちらは覚えとる。沖田さんと遊んだんは、事実や」
それは、確かにあの頃が存在していた証拠。この地に、総司君がいた証拠。
「みよの、今やから言うけどな」
「どしたん?」
「私、総司君が初恋やった」
「……知っとったわ」
「ほんまに?」
「ほんま」
だって加子分かりやすい、とにやり顔。私は、顔が熱くなった。
「でも、他にも沖田さん好きな子はぎょうさんおったわ」
「嘘や!」
「ほんまや! 知らんかったん?」
初耳だ。いや、そりゃ総司君は顔も良かったし素敵だった。だけど、皆が皆そうだとは限らないじゃない。
じゃあ、みよのもそうなのかと問えば「うちは違う」と返ってきた。