裏切られたのは
名前変換とあらすじ
この章の夢小説設定【概要】
現パロ。
いつものように土方の部
屋で愛し合っていた貴女
。しかし、そこに知らな
い女がやってきた。
真っ先に土方の浮気を疑
ったのだが事態は深刻だ
った。
【ページ数】
全3ページ
【備考】
・土方がめちゃくちゃ酷
い男になっております。
土方好きの方は注意。
・名前変換少なめ。
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「ん……」
テレビを見ていたら、横にいた彼氏に突然キスされるってシチュエーション。よく聞くことだ。
今、現在進行形でそれをされているんだけどこれがまた長い!
「っ、トシ、ちょっ、ん……待っ」
そのキスから逃れようと、後ろに身を倒す。だけど、そのままついてくるものだから結局二人して床に倒れた。
隙を突いて、顔を背けるとトシは少し不機嫌な声を出した。
「嫌なのかよ」
「……そうじゃないけど、苦しかった」
そう言うとすぐに私の顔が片手で掴まれた。そして上に向けさせられる。
目が合うと、トシはフッと笑って
「間抜け面」
と口にした。
そりゃ、ほっぺを掴まれてれば変な顔になる。
恥ずかしくなって手を振り払った。
すると、また顔を近付けられそのままキスされた。
優しくそれでいて熱いキスに、私は流されそうになる。いや、もう流されているのかもしれない。
気付けばトシの首に手を回していた。
このまま流れで――と、そう思った時だった。
突然、部屋のドアが開いた音がした。
泥棒かとすぐに思った。唇が離れたので、ドアの方に視線をやるとそこにはどう見ても泥棒には程遠いような女の子がいた。
お洒落なふんわり系女子というべきか、明らかに私より若い大学生くらいの可愛い女の子。
一瞬、見入ってしまったくらいだ。でもすぐにはっとする。
この子は一体人の家で何をしているのか、と。
誰やねん! と、関西のおばあちゃんが脳内でツッコミを入れた。
本当、誰だろうか。
混乱しているのは私だけではない。
女の子も、トシも混乱を隠しきれていなかった。
でも、私の混乱とはまた違っていた。
「おまっ、何でここに……!?」
トシは、この子と知り合いでどうしているのか分からない混乱。
女の子は、言葉は発しないものの驚いた顔でどこか呆然としていて何というか、信じられない光景を見たような感じ。
「……えっと、誰?」
沈黙が訪れた空間を私が破ると、トシが私の上から素早く退いた。と、同時に女の子は踵を返して走って出て行ってしまった。
「千鶴っ――」
女の子の名前だろう。トシは立ち上がろうとした。
でも、何となく急にだけど嫌な予感が私の中で生まれて思わずトシの腕を掴んでしまった。
「離っ――」
私の顔を見たトシは、一瞬にして苦虫を潰したような顔になった。
そして、何か迷っている様子を見せた。
「……渚」
数秒後、トシは落ち着いた声で私を呼んだ。
そして私の腕を掴むと立ち上がり、玄関の方へ進んだ。
「え、ちょ、何!?」
その引っ張る力強さに戸惑う。
途中、私の荷物も拾ったトシは答えることなく玄関で靴を履いた。
私も靴を履くと、そのまま外に出る。
素早く、家の鍵を閉めるとそのままマンションのエレベーターへ向かいボタンを押す。
エレベーターのドアが開くと、トシは私をそのまま中に押し込んだ。荷物も一緒に。
「え、何どういうこと!?」
そして少しエレベーターの中に身を入れて、一階のボタンを押したのだ。そこでトシが初めて口を開いた。
「帰れ」
「……は?」
「また連絡する」
そして、ドアの「閉」を押すとトシはエレベーターから身を引いて階段の方へ走って行ってしまった。
階段を駆け下りる音を聞きながら、ドアが閉まり私だけのエレベーターは下へと降りた。