タバコの男 二部
名前変換とあらすじ
この章の夢小説設定【概要】
現パロ。タバコの男 一部
の続編。
土方に裏切られ、激しく
傷ついた。同じタバコの
臭いがすると、思わず振
り返ってしまう。そして
貴女は土方に復讐を決意
していたのだった。
【ページ数】
全9ページ
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
夜の街で千鶴ちゃんとトシが合流する。
ペコペコ頭を下げる千鶴ちゃんは、きっとこの前のことを再度謝っているのだろう。トシは千鶴ちゃんの気がすまない性格を利用して、デートに誘った。
クリーニング代はいいから飯でも、と。どうせトシが奢ることは目に見えているんだけど……。
千鶴ちゃんが、それじゃあお詫びにならないですって言うのを見越しているに違いない。それを利用して、ずるずる何度もデートして惚れさせて行くのだろう。
そして初めて出会った時の話を良いムードで出し、お詫びをさせてくださいって改めてなったところで結婚話を持ち出すのだ。
ま、完全に私の想像でしかないけどトシは人の心を操ることがで出来る男だ。
今回はこちらが騙す側だが、プロに勝てるのか不安だ。分かっていても、千鶴ちゃんがトシに惚れないという保証はない。
どうなるか、と思いつつ私は二人のあとを追った。
――……‥‥
初デートは成功といえるものだった。今夜も千鶴ちゃんと会議を開いた。
トシは、千鶴ちゃんにも徳島祐也と名乗ったらしい。
一回小鳥遊さんに会ってるから、違う名前にするのは危険と感じたのだろうか。
「小鳥遊さんとは友達って言われたよ」
「そういう話になったの?」
「うん。私とデートして、この前の女の人に怒られませんか? って聞いたらそう言ってた」
「友達ねぇ……」
とんだ大嘘つきだ。
こっちは水曜日に彼女と会って、キスして家にまで上がり込んでいるのを見たっていうのに。
「それで、LINEは交換したの」
これって見せてくれた画面には、徳島祐也の文字。
アイコンは鳥になっていた。
「鳥好きなのかな」
「トシは猫派だよ。小鳥遊さんの名前にあやかってたりして」
「ふふっ、そうかもね」
「……千鶴ちゃん、本当にありがとうね」
私のことで巻き込んで、トシに千鶴ちゃんの連絡先もバレて……。
本当にこれで良いのかという葛藤はぬぐえない。
「気にしないでって言ってるじゃない」
「このお礼は必ずする」
それから、千鶴ちゃんは何度もトシとデートを重ねた。
ホテルとかそういうのには頑なに行かず、清いお付き合いという形になっていった。
一方、トシは小鳥遊さんとも続いているようだった。まさか二人を同時進行で相手にするなんて思っていなかったが、器用なトシはそれをやってのけていた。
そしていよいよ最終段階に作戦は移ろうとしていた。
数日後。
いよいよ運命の日がやってきた。
「トシに惚れたりしていない?」とか「本当に今日で良い?」とか千鶴ちゃんに最終確認はした。
彼女は「好きになるわけない。早苗ちゃんを苦しめた男だもん」とはっきり言い切った。
午後七時。千鶴ちゃんがトシとの待ち合わせに行く。彼女からの連絡を見逃すまいと私は携帯を常に手に持ち、近くの喫茶店で待機をしていた。
午後七時十分、LINEにて千鶴ちゃんから示された場所は偶然か……前にギムレットを出されたあのバーだった。
いよいよ決戦の時だ。
三年間追い続けた男に会いに行く。緊張が高まった。
午後七時二十五分、バーに着いた私は深呼吸を数回した。そしてこの日のために買った“ある物“が鞄のポケットに入っていることを確認する。
準備よし、と私はバーのドアに手をかけた。