タバコの男 二部
名前変換とあらすじ
この章の夢小説設定【概要】
現パロ。タバコの男 一部
の続編。
土方に裏切られ、激しく
傷ついた。同じタバコの
臭いがすると、思わず振
り返ってしまう。そして
貴女は土方に復讐を決意
していたのだった。
【ページ数】
全9ページ
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――……‥‥
「小鳥遊さんだった」
千鶴ちゃんの家に行った私は、二人で報告会を開いた。
千鶴ちゃんはさり気なく、あの親子の家の表札を見ていたのだ。
家も分かったし、悪いけど調べさせてもらう。
「連絡来るかな」
「来る。トシはお金を持っている子に絶対近付く。千鶴ちゃんが財布を出した時なんか、ガン見してたもん」
「確かに、視線は感じたかも」
スマホを二人で眺め、じっと待った。
「……」
「……」
「……お腹すいたね」
「そうだね、何か食べよっか」
千鶴ちゃんがオムライスを作ってくれた。そしてそれを食べている最中、千鶴ちゃんのスマホが光った。
「来た!」
と叫んだ千鶴ちゃんがスマホを私にも見えるように置いてくれた。
ショートメッセージで届いたそれは間違いなくトシからだった。
《こんばんは。夕方、ぶつかった者だが怪我してないか少し心配になって連絡しました》
「いや、怪我って軽くぶつかっただけじゃん」
何言ってんだこいつと突っ込みを入れる私に、千鶴ちゃんは何て返そう?と聞いてくる。
「うーん。とりあえず今は近づくことが目的だから、話を続けなきゃね」
そうして送った返事が
《こんばんは。私は大丈夫です^^ 御心配ありがとうございます。そちらは大丈夫でしたか?クリーニング代いつでも言ってくださいね》
だった。
すると割とすぐに返事が来る。
《なら良かった。俺の方も気にしなくて良い。クリーニング代はいらねぇから》
普通ならここで終わるが、千鶴ちゃんは食いついて行く。
《でも、やっぱり落ちなかったですよね……?私、結構気にするタイプなので……》
「本当にこれで大丈夫かな?」
「大丈夫だと思う。トシとしても、千鶴ちゃんとお近づきになりたいはずだから。意外とこれも読んでたりするのよ」
「そうかなぁ」
トシはそういう人だ。相手の心を読むのに長けている気がする。
千鶴ちゃんが、何かお詫びをしないと気が済まない性格だと見抜いているはずだ。
「もうすぐ、切りだしてくると思う」
「あ、来た。……これって」
来た、と思ったよね。
その返事には千鶴ちゃんをデートに誘う文句が書かれていた。
「流石、早苗ちゃん。伊達に幼馴染やってないね」
「当然!……でも、分からないことも沢山あるよ。じゃなきゃ騙されなかっただろうし」
「私、頑張るからね」
千鶴ちゃんはデートに乗る文を送った。
翌週、千鶴ちゃんはトシとのデートに向かった。思いっきりお洒落した千鶴ちゃんはとても綺麗で可愛くて、こんなことに巻き込んでいるのがとても申し訳なくなった。
でも千鶴ちゃんに言っても、絶対気にしないでとか私がやりたくてやっていることだものと引いてくれないだろう。
結局、今夜も千鶴ちゃんに甘えて私は陰から見守る立場だ。
この一週間、あの小鳥遊さんについて調べるとビックリ仰天だった。
まず母子家庭だと思っていたが、そうではなく普通に家庭があった。
旦那は証券会社の重役。忙しくて滅多に家にいないという。
トシは、あの親子に「徳島祐也」と名乗っていて週末は子供を交えた三人でいつも遊んでいるらしかった。
"徳島祐也"の休日は、日曜日と水曜日で水曜日は小鳥遊婦人と二人きりで会っているようだった。
つまり、不倫である。
トシは他人の家庭を壊してまで金を騙しとる行為を何度もしている。今回もきっとそうだ。