2016.4.4~2018.3.1
『ごめんなさい、更新月を勘違いしていました』
「おかしいな、とは思ったことあるんですよ。でも、それは一瞬で」
「……で?」
「今日、やっと更新できる余裕が出来たと思って開いたら、あれー? ってなりましたね」
「それで?」
「……ごめんなさい。一か月勘違いしてました」
頭を深々と下げると、赤い瞳がギラッと輝く。まぁ、輝くって言っても輝いただろうというのが正しい表現だ。
彼の眼を私は見れない。怖くて。
「貴様が拍手とやらの更新を一か月勘違いしていることなど、まぁ読者は気にもとめんだろう。なんせ貴様のサイトとやらを目的に足を運ぶ輩なぞおらんだろうからな」
「う……」
「精々、客は……たまたまリンクの橋渡しにここを通ったか、ちょっと覗いてみようという興味本位で来ているに違いないからな」
「……そうかもしれません」
「ただ……」
そう言って彼は私の目の前に跪き、土下座をする私の顎を掴んで持ち上げた。無理やりに見せられるその瞳に息を飲んでしまう。
「万が一、貴様のサイトとやらを目的として足を運んでいる輩がいるとすれば、貴様はそいつらの期待を裏切ったことになる」
「はい……」
「二か月更新と言っておいて、二か月経っても更新されずにいたらどう思う」
「……もう更新しないんだろうな、って思います」
「そうだ。まだ拍手以外を更新しているのなら望みはある。だが貴様はほぼ本編や短編を更新せず、拍手のみ。これでは貴様の許へ来てくれるものなど一人もいなくなるぞ」
「はい……」
彼は私から離れ立ち上がった。
「まだオレをあの“思い出”とやらに出しておらんだろう。出すまで休止することは許さん」
「……い……す」
「何? 聞こえん」
「……ごめんなさい。貴方は出ないです」
「……何だと」
「っ! ごめんなさい! 幻術かけないで!」
「貴様、今何と言った!?」
「怖い怖い!! 写輪眼仕舞って!!」
見下ろす赤い眼を直視したくなくて腕で顔を隠す。
「どういうことか説明しろ」
「ですから貴方は“思い出”に出ません!」
「このうちはマダラを出さぬというのか!」
「万が一出ても名前だけ……ひっ! 違う、違うの! 正確には“思い出”には出ないけど予定している続編には出す予定ですから!!」
「その続編とやらいつ出来るのだ! “思い出”とて何年連載している? 六年だぞ六年! なのにまだ終わっていないのはなぜだ? 貴様なめているのか!」
「ごめんなさいごめんなさい」
その時だ、黒い影がゆらっと現れたのは――。
「そこまで責めることないだろう」
「貴様は……まさかサスケか」
そこにはうちはサスケ(BORUTO ver.)がいた。
「人にはそれぞれペースというものがある。誰もがアンタのように凄いわけじゃない」
「ふん、お前に何が分かる。サスケ、お前は“思い出”に出ているから言えるのだ。確か、主人公の弟という立場だったな。そんな立場のお前といつ出るか分からないオレとでは違うのだ」
「そんなに出たいのか」
「そうではない。こんなちんけな場所に出たところでどうとなるわけではないからな」
ちんけ……。
「だったら何だ。NARUTOを読み直して来い。アンタの出番はまだない」
「そんなことは分かっている。オレは死んでいるのだからな。だからこそ早く事を進めろといっているのだ。オレが出るまで何年かかる? 十年か二十年か? 夢小説というものの全盛期ではない今、そんな先まで需要があるとは思えん。あっても、このクズのような管理人が果たして同じことをやっているか?」
「うっ……」
「オレたちは所詮、作られた存在だ。原作が終わった今、死んだオレが生きられるのは人々の頭の中とこういう二次創作のサイトだけ」
「だからと言って、管理人にも私生活がある。作られた存在のオレたちが干渉出来る範囲じゃない」
「サスケ……お前は、次世代の“BORUTO”にも出ているらしいな。まだ原作は終わっていないのだろ? 二次創作以外で話が作られないオレとは違う」
「アンタの二次創作は何もこの管理人だけとは限らん。ピ〇シブとやらに大量にある」
「そうだな。だが……そいつらの作り出すオレはオレであってオレではない。オレはこのサイトのオレであり、他のオレとも違う」
「それを言うなら、オレだって同じはずだ。公式のオレはここのオレとは違う。アンタの言ってることは矛盾している」
「ふっ……確かにそうだな。つまりオレが言いたいのは、とにかく書けということだ。二か月に一回の拍手も月を勘違いするとは、バカとしか思えん」
「……許してやれ。今こうして書いているのだからな」
「……サスケ、丸くなったな。あの頃のお前なら、興味がないという反応を示していただろうな」
「……」
「まぁいい。おい、管理人」
「は、はい!」
「ちゃんと書かねば、今度こそオレがあの世へ送ってやる」
「……はい」
――……‥‥
(マダラァアアアアア!!)(! 待っていたぞ、柱間ァアアア!!)(やっとどっか行った……)
□■□■□■□■□■□■
掲載期間:2017/12/8~2018/3/1
「おかしいな、とは思ったことあるんですよ。でも、それは一瞬で」
「……で?」
「今日、やっと更新できる余裕が出来たと思って開いたら、あれー? ってなりましたね」
「それで?」
「……ごめんなさい。一か月勘違いしてました」
頭を深々と下げると、赤い瞳がギラッと輝く。まぁ、輝くって言っても輝いただろうというのが正しい表現だ。
彼の眼を私は見れない。怖くて。
「貴様が拍手とやらの更新を一か月勘違いしていることなど、まぁ読者は気にもとめんだろう。なんせ貴様のサイトとやらを目的に足を運ぶ輩なぞおらんだろうからな」
「う……」
「精々、客は……たまたまリンクの橋渡しにここを通ったか、ちょっと覗いてみようという興味本位で来ているに違いないからな」
「……そうかもしれません」
「ただ……」
そう言って彼は私の目の前に跪き、土下座をする私の顎を掴んで持ち上げた。無理やりに見せられるその瞳に息を飲んでしまう。
「万が一、貴様のサイトとやらを目的として足を運んでいる輩がいるとすれば、貴様はそいつらの期待を裏切ったことになる」
「はい……」
「二か月更新と言っておいて、二か月経っても更新されずにいたらどう思う」
「……もう更新しないんだろうな、って思います」
「そうだ。まだ拍手以外を更新しているのなら望みはある。だが貴様はほぼ本編や短編を更新せず、拍手のみ。これでは貴様の許へ来てくれるものなど一人もいなくなるぞ」
「はい……」
彼は私から離れ立ち上がった。
「まだオレをあの“思い出”とやらに出しておらんだろう。出すまで休止することは許さん」
「……い……す」
「何? 聞こえん」
「……ごめんなさい。貴方は出ないです」
「……何だと」
「っ! ごめんなさい! 幻術かけないで!」
「貴様、今何と言った!?」
「怖い怖い!! 写輪眼仕舞って!!」
見下ろす赤い眼を直視したくなくて腕で顔を隠す。
「どういうことか説明しろ」
「ですから貴方は“思い出”に出ません!」
「このうちはマダラを出さぬというのか!」
「万が一出ても名前だけ……ひっ! 違う、違うの! 正確には“思い出”には出ないけど予定している続編には出す予定ですから!!」
「その続編とやらいつ出来るのだ! “思い出”とて何年連載している? 六年だぞ六年! なのにまだ終わっていないのはなぜだ? 貴様なめているのか!」
「ごめんなさいごめんなさい」
その時だ、黒い影がゆらっと現れたのは――。
「そこまで責めることないだろう」
「貴様は……まさかサスケか」
そこにはうちはサスケ(BORUTO ver.)がいた。
「人にはそれぞれペースというものがある。誰もがアンタのように凄いわけじゃない」
「ふん、お前に何が分かる。サスケ、お前は“思い出”に出ているから言えるのだ。確か、主人公の弟という立場だったな。そんな立場のお前といつ出るか分からないオレとでは違うのだ」
「そんなに出たいのか」
「そうではない。こんなちんけな場所に出たところでどうとなるわけではないからな」
ちんけ……。
「だったら何だ。NARUTOを読み直して来い。アンタの出番はまだない」
「そんなことは分かっている。オレは死んでいるのだからな。だからこそ早く事を進めろといっているのだ。オレが出るまで何年かかる? 十年か二十年か? 夢小説というものの全盛期ではない今、そんな先まで需要があるとは思えん。あっても、このクズのような管理人が果たして同じことをやっているか?」
「うっ……」
「オレたちは所詮、作られた存在だ。原作が終わった今、死んだオレが生きられるのは人々の頭の中とこういう二次創作のサイトだけ」
「だからと言って、管理人にも私生活がある。作られた存在のオレたちが干渉出来る範囲じゃない」
「サスケ……お前は、次世代の“BORUTO”にも出ているらしいな。まだ原作は終わっていないのだろ? 二次創作以外で話が作られないオレとは違う」
「アンタの二次創作は何もこの管理人だけとは限らん。ピ〇シブとやらに大量にある」
「そうだな。だが……そいつらの作り出すオレはオレであってオレではない。オレはこのサイトのオレであり、他のオレとも違う」
「それを言うなら、オレだって同じはずだ。公式のオレはここのオレとは違う。アンタの言ってることは矛盾している」
「ふっ……確かにそうだな。つまりオレが言いたいのは、とにかく書けということだ。二か月に一回の拍手も月を勘違いするとは、バカとしか思えん」
「……許してやれ。今こうして書いているのだからな」
「……サスケ、丸くなったな。あの頃のお前なら、興味がないという反応を示していただろうな」
「……」
「まぁいい。おい、管理人」
「は、はい!」
「ちゃんと書かねば、今度こそオレがあの世へ送ってやる」
「……はい」
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(マダラァアアアアア!!)(! 待っていたぞ、柱間ァアアア!!)(やっとどっか行った……)
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掲載期間:2017/12/8~2018/3/1
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