2009.8.8~2009.12.31
『淡い恋の願い』
暁にいると、世の中の動きなんて、常に戦いのことばかり。
木の葉が――砂が――
そんな情報しか入ってこない。
犯罪者の私が、それ以外のことなんて求めて良いのか分からないけど、やっぱり女の子だから仕方ないよね?
「デデデのデイちゃんー!」
我ながら、気持ち悪いと思った。けど、呼ばれたデイダラ本人がもっと気持ち悪いだろう。
「気持ち悪い。うん」
「まぁまぁ、そう言わず! もうすぐクリスマスだね!」
「ん? あぁ……」
やっぱり、好きな人といたいじゃん?
「あのさ、一緒に遊ばない? ってか、どっか行こうー」
期待を込めて、私はデイダラにぎゅっと、抱きついた。
「嫌だ、うん」
やっぱり――。毎年、毎年そう。同じことの繰り返し。
「何で?」
「おいら、芸術作品を作らなくちゃいけねぇから、うん」
「ドカンと?」
「うん」
そう言って、デイダラは去ろうとした。
でも、私は彼の服の裾を引っ張り、聞いた。
「どうしても?」
すると、彼は
「うん、だな」
の一言。
正直、毎年毎年こうも断られるともう、どうでも良くなる。
でも、毎年毎年――懲りずに誘うのはやっぱり、好きだから。
いつの間にか、裾を離していた私。
デイダラはもう、自室に戻った。
「好きだよ……大好き……」
呟いた、私の声はひんやりした廊下に消えていった。
次はそんな言葉もちゃんと言えていて、欲を言うなら彼に、ちゃんと伝わっていると良いな。
□■□■□■□■□■□■
掲載期間:2009/12/1/~2010/1/1
暁にいると、世の中の動きなんて、常に戦いのことばかり。
木の葉が――砂が――
そんな情報しか入ってこない。
犯罪者の私が、それ以外のことなんて求めて良いのか分からないけど、やっぱり女の子だから仕方ないよね?
「デデデのデイちゃんー!」
我ながら、気持ち悪いと思った。けど、呼ばれたデイダラ本人がもっと気持ち悪いだろう。
「気持ち悪い。うん」
「まぁまぁ、そう言わず! もうすぐクリスマスだね!」
「ん? あぁ……」
やっぱり、好きな人といたいじゃん?
「あのさ、一緒に遊ばない? ってか、どっか行こうー」
期待を込めて、私はデイダラにぎゅっと、抱きついた。
「嫌だ、うん」
やっぱり――。毎年、毎年そう。同じことの繰り返し。
「何で?」
「おいら、芸術作品を作らなくちゃいけねぇから、うん」
「ドカンと?」
「うん」
そう言って、デイダラは去ろうとした。
でも、私は彼の服の裾を引っ張り、聞いた。
「どうしても?」
すると、彼は
「うん、だな」
の一言。
正直、毎年毎年こうも断られるともう、どうでも良くなる。
でも、毎年毎年――懲りずに誘うのはやっぱり、好きだから。
いつの間にか、裾を離していた私。
デイダラはもう、自室に戻った。
「好きだよ……大好き……」
呟いた、私の声はひんやりした廊下に消えていった。
次はそんな言葉もちゃんと言えていて、欲を言うなら彼に、ちゃんと伝わっていると良いな。
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掲載期間:2009/12/1/~2010/1/1
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