2013.1.2~2014.4.4
『めでたくねぇよ!助けろよ、うん!』
「なぁ、オイラたち暁だよな……?」
「言うな、デイダラ」
「ペインの言うとおり……。私たちにはもうこれしかないのよ」
「けど、これって……」
辺りを見回すデイダラは叫んだ。
「じじばばばっかりだ!!!うん!!」
と――。
小南が命を失ってから、いわゆるあの世というところにやってきたときにはもうそれは始まっていた。
かつて共に生きたペインが、これまたかつての仲間たちを従えて何やら大きなことを成し遂げようとしている。と、閻魔大王から聞いた。
小南は「あの世に言ってもまだ何かしようというの?」と怪訝な顔をしながら皆がいるであろう場所に行ったのだ。
するとそこには小南の予想を裏切る光景が広がっていたのだ。
あの世に来た魂に語りかけるペイン。
あの世でも金の取引をしている角都。
年寄りと団子をもさもさ食っているイタチ。
弟子が出来たのか講義をしているサソリ。
それにちゃちゃを入れてサソリに刺されそうになるデイダラ。
小南はそっと引き返そうとした。しかし、ペインがそれに気づき許さなかった。
「……ペイン、そこをどいて」
「小南来たのか。待っていた」
「待たなくて良いわ。私、これから用があるの」
極力関わりたくない。そう激しく思ってしまった。
が、ペインはやはり許さない。
「そういうな、俺たち暁はこれからもっと凄いことをすると決めたのだ。満場一致だ」
「これのどこが凄いことなのか私には塵よりも分からないわ」
「初めて聞いた言葉だな。まぁ良い」
「良くないわ」
「俺たち暁は地獄にやってきた。ここにいる魂は皆、生前悪いことをした。しかし、俺たちはここで終わるわけにはいかない」
「うん、人の話聞いて?」
小南の言葉すら耳に入っていないのか、ペインは熱く語る。
「閻魔大王と交渉した。俺たちがここにいる悪の魂を癒し、綺麗な魂に生まれ変わらせることが出来れば天国行きに変更可能だそうだ」
「何なのそれ」
「更に、天国に行きそこでも良い行いをすれば更に上が待つと」
「神にでもなる気なの?」
「俺は神だ。不可能などない」
「……」
「軽蔑するな、小南。最終的には、下界に戻れるかもしれない。そうなればうずまきナルトを助けることが出来る」
「ペイン、ドラゴ●ボールの見すぎよ。武道の達人にでもなるの?」
「いや、忍の達人だ。俺は弟弟子に感動した! 守らなくちゃならない!!」
ペインがおかしくなったと小南は逃げようとした。しかしそんな小南の腕を掴んで「さあ!」と引きずり込むペインに本気で恐怖を覚えたのだった。
それから不本意ながらも小南は皆を手伝っていた。そしてある日、温泉が出来たからその手伝いをしてほしいと地獄の鬼たちに頼まれた暁。変態的な男どもはすぐに綺麗な女性を想像した。
が、現実は違った。
その瞬間、暁は目覚めたのだ。
「なぁ、オイラたち暁だよな……?」
とデイダラ。
「言うな、デイダラ」
とペイン。
「ペインの言うとおり……。私たちにはもうこれしかないのよ」
小南はもう引き返せないと知っていた。
「けど、これって……」
辺りを見回したデイダラは叫んだのだ。
「じじばばばっかりだ!!!うん!!」
温泉には、年寄りしかいなかった。
が、今更引き下がれない。受けた仕事を途中で破棄する忍たちではない。
「あらー、デイダラちゃんこっちにおいで」
「そうそう、私たちがもてなしてあげるわよー!」
「あはははは」
笑いあうおばあさんたち。
「オイラ、今まで何やってたんだろうな。うん」
「ククク、今頃気付いたかデイダラ。さっさと言ってこい!」
「わわっ、押すなよ旦那! っていうか、旦那! 気付いたかって、旦那は知ってたのか!?」
「ククク……翻弄されるお前たちは見物だったぞ。特にデイダラはな」
「はぁあああああ!?」
抵抗するデイダラは、おばあさんたちに引きづり込まれた。
「少しホラーだな」
「ペインが撒いた種よ」
「ナンセンス」
「この温泉、いくら儲かるか……一人当たり、二百両でも……云々」
「助けてくれぇええええええ!!!!」
「ここまでくれば俺の野望は、もはや引けん。デイダラ、そのまま頑張れ」
「リィイイイイダァアアアアア!!!!!!」
こうして、ペインの野望は続くのであった。
めでたしめでたし!
――……‥‥
(デイダラちゃん、はいあ~ん)
(う……あー……出来るか!!!)
(わっ!……デイダラちゃん……)
(あ、悪い!大丈夫か……?)
(デイダラは来世は介護職だな)
□■□■□■□■□■□■
掲載期間:2013/4/4~2013/6/4
「なぁ、オイラたち暁だよな……?」
「言うな、デイダラ」
「ペインの言うとおり……。私たちにはもうこれしかないのよ」
「けど、これって……」
辺りを見回すデイダラは叫んだ。
「じじばばばっかりだ!!!うん!!」
と――。
小南が命を失ってから、いわゆるあの世というところにやってきたときにはもうそれは始まっていた。
かつて共に生きたペインが、これまたかつての仲間たちを従えて何やら大きなことを成し遂げようとしている。と、閻魔大王から聞いた。
小南は「あの世に言ってもまだ何かしようというの?」と怪訝な顔をしながら皆がいるであろう場所に行ったのだ。
するとそこには小南の予想を裏切る光景が広がっていたのだ。
あの世に来た魂に語りかけるペイン。
あの世でも金の取引をしている角都。
年寄りと団子をもさもさ食っているイタチ。
弟子が出来たのか講義をしているサソリ。
それにちゃちゃを入れてサソリに刺されそうになるデイダラ。
小南はそっと引き返そうとした。しかし、ペインがそれに気づき許さなかった。
「……ペイン、そこをどいて」
「小南来たのか。待っていた」
「待たなくて良いわ。私、これから用があるの」
極力関わりたくない。そう激しく思ってしまった。
が、ペインはやはり許さない。
「そういうな、俺たち暁はこれからもっと凄いことをすると決めたのだ。満場一致だ」
「これのどこが凄いことなのか私には塵よりも分からないわ」
「初めて聞いた言葉だな。まぁ良い」
「良くないわ」
「俺たち暁は地獄にやってきた。ここにいる魂は皆、生前悪いことをした。しかし、俺たちはここで終わるわけにはいかない」
「うん、人の話聞いて?」
小南の言葉すら耳に入っていないのか、ペインは熱く語る。
「閻魔大王と交渉した。俺たちがここにいる悪の魂を癒し、綺麗な魂に生まれ変わらせることが出来れば天国行きに変更可能だそうだ」
「何なのそれ」
「更に、天国に行きそこでも良い行いをすれば更に上が待つと」
「神にでもなる気なの?」
「俺は神だ。不可能などない」
「……」
「軽蔑するな、小南。最終的には、下界に戻れるかもしれない。そうなればうずまきナルトを助けることが出来る」
「ペイン、ドラゴ●ボールの見すぎよ。武道の達人にでもなるの?」
「いや、忍の達人だ。俺は弟弟子に感動した! 守らなくちゃならない!!」
ペインがおかしくなったと小南は逃げようとした。しかしそんな小南の腕を掴んで「さあ!」と引きずり込むペインに本気で恐怖を覚えたのだった。
それから不本意ながらも小南は皆を手伝っていた。そしてある日、温泉が出来たからその手伝いをしてほしいと地獄の鬼たちに頼まれた暁。変態的な男どもはすぐに綺麗な女性を想像した。
が、現実は違った。
その瞬間、暁は目覚めたのだ。
「なぁ、オイラたち暁だよな……?」
とデイダラ。
「言うな、デイダラ」
とペイン。
「ペインの言うとおり……。私たちにはもうこれしかないのよ」
小南はもう引き返せないと知っていた。
「けど、これって……」
辺りを見回したデイダラは叫んだのだ。
「じじばばばっかりだ!!!うん!!」
温泉には、年寄りしかいなかった。
が、今更引き下がれない。受けた仕事を途中で破棄する忍たちではない。
「あらー、デイダラちゃんこっちにおいで」
「そうそう、私たちがもてなしてあげるわよー!」
「あはははは」
笑いあうおばあさんたち。
「オイラ、今まで何やってたんだろうな。うん」
「ククク、今頃気付いたかデイダラ。さっさと言ってこい!」
「わわっ、押すなよ旦那! っていうか、旦那! 気付いたかって、旦那は知ってたのか!?」
「ククク……翻弄されるお前たちは見物だったぞ。特にデイダラはな」
「はぁあああああ!?」
抵抗するデイダラは、おばあさんたちに引きづり込まれた。
「少しホラーだな」
「ペインが撒いた種よ」
「ナンセンス」
「この温泉、いくら儲かるか……一人当たり、二百両でも……云々」
「助けてくれぇええええええ!!!!」
「ここまでくれば俺の野望は、もはや引けん。デイダラ、そのまま頑張れ」
「リィイイイイダァアアアアア!!!!!!」
こうして、ペインの野望は続くのであった。
めでたしめでたし!
――……‥‥
(デイダラちゃん、はいあ~ん)
(う……あー……出来るか!!!)
(わっ!……デイダラちゃん……)
(あ、悪い!大丈夫か……?)
(デイダラは来世は介護職だな)
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掲載期間:2013/4/4~2013/6/4