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2012.1.1~2013.1.1

『夢路とバイオハザード』




「おーい!」

「ん? ぎゃぁああああ!!! バイオ○ザード!!!」


廊下を歩いていると、呼ばれたので振り返った。そしたら、そこには首だけの飛段がゴロンと転がっていたのだ。


「違う、アン○ットなら首だけでは生きていけない。それに喋らない」

「妙に詳しいな、おい」

「ふっ、ナンセンス。俺はバイオハ○ード~Ⅳまで見たからな。それにⅤもこの前映画館に見に行ったからな」


イタチからは想像もつかないような言葉。まさかバイオファンだったとは――。


「オイラは、やっぱジル・バレン○インが好きだな。うん」

「ぅおっ、デイダラ! いつの間にっ」

「セクシーじゃねぇか、うん?」


同意を求めるように言われても、私としてはデイダラがバイオ○ザードを見るのに驚きだ。


「げははは! 俺はァ」

「テメェはゾンビ派だろ、うん」

「そうそう、俺はゾン……って、違ェーよ!! 俺にだって好みはあるぜ!?」

「じゃあ、誰なんだ? うん?」

「やっぱ、アレだろ! ク○ア! あの冷たい感じがたまんねェーーな!!」


首だけの飛段が好きなタイプを語るなど、怖い絵図だ。
するとそこに、今度は二人増えた。


「私はやっぱり主人公のア○スが良いです」

「鬼鮫……」

「確かにア○スも良いが、最初に出てきたレ○ンって女もなかなかだ。気の強い女は嫌いじゃねぇ」

「サソリまで……」


するとそこからが言い合い。互いに好きなキャラを主張し、一歩も譲らない。
しかし、ただ一人イタチだけはそれに参加せず見ていた。私は彼に近付いた。


「イタチは良いの?」

「己の好みを単に押し付けても他人には分からない。俺がどれだけ主張しても、他の皆の好みは変わることはないだろう」

「じゃあ、イタチの好きなキャラは?」


そう聞けば、イタチは私の目を見て言い放った。


「東京の第一感染者だ」


――そこで目が覚めた。




――……‥‥

(ゆ、夢!?)
(どうした?)
(あ、イタチ。……その箱は?)
(あぁ。バイオ○ザードという映画だ)
(何 で す っ て ! ?)



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掲載期間:2012/10/3~2012/11/3
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