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2011.3.1~2011.12.31

『昔と今、友達と私』




「うずまきナルトだ!」


あんた誰、と聞けば怒った様に名乗られた。


「じゃあ、ナルト」


そう呼べば、何故か驚いた顔をした。
この子が、うちの塀に落書きをしたので説教をしようとした。だが、そっちの方が気になったので理由を聞けば、ナルトは寂しそうに俯いた。


「どうしたの?」

「俺ってば、そんな風に名前呼ばれたことあんまりないから……」

「は?」

「姉ちゃん、里の人間じゃねぇの?」


何か事情がある様だった。


「え、里の人間だけど」

「俺のこと知らないのかってばよ?」

「もしかして有名人?」


しかし生憎私は木の葉の人間でも、世間の情報は全く分からない。引きこもりだから――。


「俺ってば、里の皆から避けられてるからだってばよ」

「え!? 何で!?」


事情を聞くと、更に驚いた。本人が理由知らないのに、化け物って虐められてるというではないか。しかも、大人まで。唯一、火影様は気にかけてくれてるらしいが、それでも放置。
親もいなく、一人暮しらしい。


「何それ、意味わかんない。私は、ナルトの味方だよ?」

「え、何で? 俺ってば、姉ちゃんの家に落書きしようとしたんだってばよ?」

「落書きは、消えるもの。でも心の傷は消えない。それに、大体こういう悪戯っ子は、自分の存在をアピールしてるって決まってるのよ! 友達、なってあげる」


これが、私とナルトの友達になったきっかけ。




――……‥‥

あの頃を思い出すと、友達になって良かったなと思う。
ナルトの夢の話も思いも、数年に渡って聞いてきた。


「姉ちゃーん!!」

「ナルト!」


英雄になった今でも、彼は変わらず私に接してくれる。
数年前と変わったのは、身長と多分中身も少し。落ち着いて、大人になった。
悪戯っ子でもなくなったし。


「姉ちゃん、引きこもってばっかだと、太るってばよ?」

「なっ、失礼な! 引きこもりは卒業したんですぅー」


デリカシーがないのは相変わらずだけど。


「本当かぁ?」

「本当だよ。ナルトのせいで引きこもり出来なくなったんだし」


破壊された里を見れば、至るところで修理する光景。


「え!? 俺のせいなのか!?」

「まぁ、里を救ったから半分許す。店が復活したら餡蜜おごれ。そしたら、家が復活しても引きこもり止めるよ」

「うーん……分かったってばよ。その代わり、絶対止めるって約束だぞ」


分かった分かった、と笑って言ってみれば。案の定、約束が嘘っぽいという話題になり、「嘘じゃない」「嘘だ」といたちごっこ。


「ちょっと、ナルト! 何やったの!?」

「俺のせいなのかってばよ!?」


この後、ナルトの仲間のサクラちゃんに発見された時には、ナルトは既にボコボコにされていた。


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掲載期間:2011/10/1~2011/11/1
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