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2011.3.1~2011.12.31

『満更でもない』




一昨年は、既に過ぎていて。
昨年は、ちゃんとあげたけど“今年は、お前ではないのか……”と意味深な言葉を言われた。


「……」

「……あの」


さっきから、ずっとその赤い瞳で見つめて来る。
正直、どうしたら良いか分からない。


「聞いてる?」

「……」

「イタチ?」

「……今年は」

「?」


やっと口を開いたかと思うと、次に聞こえたのは恥ずかしい言葉。


「今年は、もう用意したのか?」

「え?」


そう聞かれ、思い当たるのは一つしかない。
――誕生日プレゼントだ。

実を言うと、まだ用意していない。何をあげようか、迷っている段階なのだ。


「いや、まだだけど……」


そこで私は閃いた。


「あ、そうだ! 何か、希望とかある?」


もう聞いてしまおうと。
すると、イタチは平然と言ったのだ。


「今年こそ、お前が欲しい」

「え」

「じゃあ、楽しみにしている」


イタチはフッと笑みを浮かべると、早々に立ち去った。有無を言わせないつもりだ。


「どうしよう。でも……」


ちょっと頭の中でシミュレーションする自分がいた。

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掲載期間:2011/6/2~2011/7/1
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