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2011.3.1~2011.12.31

『忘れてしまった誕生日』




「ぁあああああ!!!」


叫んだ私の声に、飛段は耳を塞いだ。
そして、いきなり何だよ、と聞いてくる彼に私はグイッと迫り言う。


「飛段! 明日、何の日!?」

「はぁ?……エープリルフールか?」


私の問いに答える飛段は、正真正銘の馬鹿なのかもしれない。


「違うし! ってか、エープリルフールって今日だし。さっきサソリに騙されてたの、誰だっけ?」


漸く思い出したのか、飛段は納得の声をあげた。


「で、明日……何もねぇだろ?」


やっぱり阿呆なのかもしれない。


「今日は四月一日。では、明日は?」

「……四月二日、だろ? それくらい俺も分かるっての。馬鹿にしてんのかァ?」

「じゃあ、何の日?」


ここまで来れば分かるでしょと思ったが、それは私の間違いだったようで――。


「……わかんねぇーな。つか、勿体振らず、教えろよ」

「はぁ……明日は! 飛段の誕生日でしょうが!」


やっと思い出したか、と威張ってみたが正直、私もさっき思い出したばかりだ。
故に、プレゼントを用意していないのだ。


「……そうだっけかァ?」


何をあげようか、思考を巡らせていると飛段からは思いもよらない言葉が。


「はい!?」

「ゲハハハ、自分の生まれた日なんざとっくに忘れたぜ!」


こいつは、言われても思い出せない大馬鹿野郎だった。
せめて、自分の誕生日くらいはさぁ――。

ま、そんな所も好きなんだけどね。

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掲載期間:2011/4/1~2011/5/1
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