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2010.1.1~2010.8.26

『新たな門出は疑問を抱きながら』




「ついにお前たちも卒業だな」


 班発表の後、長くお世話になった先生からの言葉はしっかりして、それでいて寂しいものだった。
明日からはそれぞれが、己の忍道を突き進んでいくのだ。


「昼からは、担当の先生を発表するからな」


とっくに額宛は一人一個配った。みんなそれぞれの希望を胸に、一人前の忍者の“証”を思い思いにつけた。
額ばかりではなく、首につける者もいた。


「ついに卒業か……」

「私ら、同じ班だけど珍しいよね。女二人だなんて」

「仕方ないさ、女の方が人数多いんだから……」


私の親友、犬塚ハナの言い分は分かる。
木の葉の里に済む私は忍者アカデミーを今日、卒業した。
本当は、もっと早く卒業を認められた私だが、やっぱり卒業後の下忍になった時のスリーマンセルは仲がいい友達がいた方が良い。だから、火影様に無理言って同期に入学した友達と同じ時期に卒業させてもらった。


「何で、俺だけ男一人班なんだよ……まぁでも、その方が都合良いか」


そう良いながら来たのは、私とハナと一緒にスリーマンセルを組む、もう一人の子(男)だった。
基本、スリーマンセルは男二人、女一人の計三人で組む。
が、私たちの班はその逆だった。

もっとも、私とハナと、この男の子はアカデミー入学してしばらくして、自ずと仲が良くなったので問題ない。
むしろ、仲が良い者同士スリーマンセルを組めるなんて、嬉しいことである。


「都合良い?」

「いや、こっちの話だ。」

「へぇ~……」

「何だよ、ハナ」

「いや、別に。 ハーレム状態だよ、アンタ」

「うっせぇよ。お前なんか眼中にねぇから、安心しな」

「なっ、言わせておけばっ……灰丸! 噛んじまえ!」

「仲良いねー、二人とも」

「ちげぇよ! つか、笑ってねぇで、助けろよ!」


そう言って、逃げる姿を見れば本当に“クラス最下位?”って思ってしまう。
スリーマンセルは、アカデミーの(卒業試験の?)成績が一位だったやつと最下位だったやつが必然的に、一緒になる。

私は、あの有名な?うちは一族の一員であるため、一位をとらないとどうなるか――、考えただけでも恐ろしい。(普通にやってれば、お前は一位をとれるはずだ、と父にいつも言われているプレッシャーがある)
そして、彼は最下位(と聞いた)。いつも筆記テストも実技も出来がイマイチ。

なのにだ、こうして見ていると彼はアカデミーの成績が表している通りじゃない気がするのだ。
不思議に思った。


「ねぇハナ」

「?」

「彼は本当に、成績最下位なのかな?」

「あ~……表面上はね」


どういうこと、と聞くとハナは一言


「そのうち、教えてあげるよ」


と、彼を見ながら不適な笑みを浮かべた――。

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掲載期間:2010/3/1~2010/4/1
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