「穢土転生、だと……！？」

「知っているのか。ということは、二代目様より後の忍ということになる」

「……ということは、私は死んだのか」


頷く一同。
それにしても、忍五大国が手を組むとは時代が変わったと女は思う。

考え込む女に、ナルトが一歩前に出て口を開いた。


「悪いけど、姉ちゃんにはあの世に帰ってもらうぜ」

「……」


構えるナルトに女は目をやる。


「お前に私が止められるか。どうやら身体は動かないらしいから」

「止めてやる。絶対に」

「……お前みたいな馬鹿っぽい奴に？」

「え？……はぁあああ！？」


遅れて、ナルトは自分が言われたことを理解し声をあげた。
苦笑する女に、ナルトは激昂する。


「馬鹿とは何だ！　俺は馬鹿じゃねぇ！」

「忍五大国それぞれの初代影の名前は？」

「え」

「……やっぱ馬鹿」

「んなの、分かるわけねぇだろ！！！！　もっと、こう……属性の優劣とかさ！」

「それは基本中の基本。え、まさかそれすら分からないの？」


分かるに決まってんだろ、と声を荒げるナルトに女は笑っている。
完全に遊ばれてる、誰もがそう思った。

しかし、ナルトがついに女に飛びかかった。それは決して感情的な攻撃ではない。だからこそ、女も真剣な顔つきになる。


「私を止めてみなよ」

「言われなくても！」

「……期待してる」


呟いた女は、そうは言ったものの楽しげな表情。
勿論、身体は勝手に動く。が、自分を操っている術者がどう自分を動かすか。
少し興味があった。




――……‥‥

勝負は数分後に着いた。


「なっ！」


そう驚いたのは、ナルトの方であった。
女があろうことか、ナルトの九尾チャクラモードの力を消し去ってしまったのである。
消し去った、というより術が解けたという方が正しいがいづれにせよ女の力でそれが解けたのは間違いなかった。


「何、したんだ……？」

「それは秘密。だけど、戦って分かった。あんたは人柱力なんだね。私は、尾獣を少し抑えられる能力があってね」

「！」

「まぁ、生きているときは全く使ったことないけど」


するとナルトが女に興味を持ったらしい。唐突に名前を尋ねた。
すると女はすぐに答えた。