――……‥‥

「お、お客様？」

「アァ？　んだよ」

「あの……」

「だから、なんだよ！」

「変質者ですか？」

「ハァ！？」

「いえ、違うんなら結構です。ただ、その様な格好はどうかと……」

「何だァ、テメェは。　おいおい俺が万引きでもすると思ってんの！？」

「え、万引き？」

「しねーよ！　ジャシン教グッツ……じゃなくてグッズを万引きなんて。思ってねぇから！」

「え、あ……ぁあーーーー！！」

「！？」

「貴方、この前の！　また万引きしようとしてるんですか！！」

「え、あ、思ってねェつってんだろ！」

「嘘ですね！　一緒に来てもらいます！」

「ハァ！？　イテテ！」

「ママーあれ何？」

「見ちゃダメよ！」




――……‥‥

「自分から暴露してるし！！」

「マジふざけんなだし！　ライ子ちゃんの言う通りにしたのに、失敗したぞコラァ！」

「ぇえっ」


そりゃ変質者みたいな格好すれば怪しまれて目を付けられてて、万引きしたと同時に捕まると思ってたけどさ。
まさか、自分から暴露するなんて――アホだ。


「飛段」

「んだよっ」

「アンタにはジャシン様が万引きするなって言ってるんだよ、うん」

「ハァ！？」

「お前は馬鹿だ」

「ンだとォ！？」

「何か言ったか？　飛段。
＜●＞＜●＞」
（二回目）

「え、あ、何でもねェよ……」

「とにかく、飛段には向いてないんだよ。正直だから」

「そうかァ？　ってか、それ褒めてんのか？」

「うん、そうだね」

「ゲハハハハ！　んじゃ、角都！　俺は万引きってやつが向いてねェらしいからな。金……」

「断る。
＜●＞＜●＞」
（三回目）

「……」


こうして飛段の万引き作戦は、失敗に終わったのであった。






～END～
あとがき→