任務と温泉
名前変換とあらすじ
この章の夢小説設定【概要】
珍しく飛段と二人で
任務。リーダーから
告げられた行き先は
、飛段の故郷の里だ
った――。
【ページ数】
全6ページ
【備考】
オリキャラ出てきま
す。
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「誰だ!? そこにいるのは!」
ハッと気づいて振り返れば、クナイが飛んでくる。
「チィッ」
飛段の舌打ちと共に、私たち二人はそこを急いで退けた。
後にはクナイが三本刺さった。
「誰だ!?」
一人の若者だった。
私の笠の鈴が、小さく鳴る。
「んぁ? どっかで見たことあるぞ、こいつ……」
小さく飛段が呟く。その声は私にしか聞こえない。
「何者だ……迷った観光客には見えないな。だとすると、侵入者か」
「……平和ボケしている湯隠れの忍さん。では、逆に問います。何故、この建物は立入禁止なのですか?」
私の質問に、その若者は何食わぬ顔で答える。
「それは、ここが里の重要なものを仕舞ってるからだ。それを分かってて侵入したんだろ?」
「確かに。でも、こんな戦もしない里の重要なものって何があるっていうの」
「それは…………。お、温泉の企業秘密書類とかだっ」
「果たしてどうかな」
「何が言いたい?」
「温泉の書類。たったそれだけで、クナイ三本も投げる? そして、貴方の最初の慌てよう……とても温泉の書類だけとは見えないな」
「温泉は我が里では命。それが大切にされて何が悪い」
「確かに。けど、それ以外にもある。しかもこの部屋に……。違うのかな?」
「っ……」
クナイを構える若者は、出ていけと言わんばかりの形相だ。
すると、今まで無言だった飛段が声を上げた。
「あぁーーーー!!」
「……何。いきなり大声出して」
「てめぇの顔、思い出したぜ! コルダだろ!?」
「コルダ?」
名前だろうか、とにかく変な名前だ。
「!? その声はっ、まさか!」
コルダと言われた人物は、飛段に気づいたらしい。
「飛段、誰だこいつ。お前の知り合いか?」
「やはり、飛段……」
「あぁ、俺がまだ里にいたころのチームメイトだ」
「スリーマンセル?」
「あぁ」
両者が睨み合っている。
コルダの方は、何で里抜けしたお前がいるんだ、っていう顔だ。
飛段は――悪魔の微笑みみたいで、よく分からない。
「今更、里に戻ってきて……何の用だ」
「つれねぇなァ。それが、昔の仲間に対する態度かよ?」
「うるさい! 何も言わず、里抜けしたお前に優しくする必要はない!」
このコルダという奴、よほど飛段を飛段を信頼していたのか――飛段が里を抜けたことにショックを受けているようだ。
「……お前は、予てよりこの里の平和ぶりが嫌だと言っていたが、何でっ」
「うるせーな。仕方ないだろ。この里が戦わねぇんだからよ。俺の理想とはちげぇんだよ」
「飛段。お前は里を抜けて知らないだろうが、お前の家族はお前がいなくなって悲しんでた!」
その時、飛段が少し反応したことに私は気付いた。それは、直ぐに飛段によって言葉にされる。
「心配だと……っ。そんなこと信じられねぇっ」
「本当だ!」
「散々、ジャシン教のこと馬鹿にしたくせにっ」
「ジャシ……お前、まだあんなのに!」
「当たり前だ。ジャシン様を馬鹿にすると、裁きが下るぜぇ」
そろそろ、終わりにしたい。そもそも暁がこんな場所に長居するのは、無用。
私は、良いことを思いついた。所詮、私も暁。