妊娠疑惑
名前変換とあらすじ
この章の夢小説設定【概要】
飛段と付き合ってい
る貴女。ある日、月
の物がこないとなり
サソリとデイダラに
言うはめになった。
しかしその話をゼツ
が聞いていたらしく
――。
【ページ数】
全5ページ
【備考】
三人称。
おまけだけ一人称。
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森の中を逃げる一人の男。息を切らせながら必死に走る。
生い茂る葉を掻き分け、驚いた虫や小動物が逃げていった。
男を影が一つ、追っていた。
黒いマントには赤い雲模様。光を反射した鋭利な刃の鎌で、草木払いのけて道を作っていく。
「わっ……!」
男が躓いて転んだ。
その瞬間だった。
「ひゃっはー!! もらったぁ!」
かさかさと葉音を立たせて飛び出して来たのは、鎌を振り上げた男。
転んだ男は振り返ったが、真上から落ちてくる死神に成す術なかった。
腕を前に出し、自分を守る姿勢しか出来なかった。
――……‥‥
「もう待てん。行くぞ」
目元以外、顔を隠した男が言った。
先ほどの鎌を持った男と同じで黒いマントを着て、そこには赤い雲模様が刺繍されていた。
鎌の男は地面に倒れていた。仰向けの体からは血が溢れ出していて、心臓には棒が突き刺さっている。
端から見れば死体だ。
しかし、その男は目をカッと開いて何事もないかのように起き上がった。
「最近は儀式を短縮してやってんのに、これ以上短縮したらバチが当たるじゃねェか!」
「バチが当たる前に俺が殺すぞ」
「だから、それをオレに言うか?」
いてっ、と小さく声をあげて男は心臓に刺さった棒を抜いた。
「なぁ角都。換金所までどれくらいだ?」
角都。それが目元以外の顔を隠した男の名前だ。
「歩いて二日だ」
「二日!? オイオイ、それじゃあ死体が腐るだろ!? 臭いもしてくるだろうし、夜は死臭を嗅ぎながら寝ろっていうのかよ!」
「うるさい飛段。死臭が嫌なら鼻を摘まんで寝ろ」
飛段と呼ばれたこの男こそ鎌男だ。
「はぁ……めんどくせーな」
そう言って、死体を担いだ角都の後を追おうとした時、背後から声が響いた。
「ねぇ、二人とも。良いこと聞いちゃったんだけど聞くー?」
「あ?」
二人が振り返ると、そこに地面から生えたアロエみたいな生き物。
「良いこと?」
「そ」
「くだらんことだったら殺すぞ」
角都が睨み付ける。
「こわっ! そう言われると、躊躇うよねぇ」
「アカツキニトッテハモンダイナコトダ」
地面から生えたアロエみたいな生き物は、二つの声を発した。
彼の名はゼツ。謎が多く、彼らが所属するS級犯罪者集団の暁の中でも詳しいことを知るものはいないという。
「オレたちにとっては問題? そんな大した問題なのか?」
「うーん、そう言われるとどうかな」
「ハァ?」
「問題の大きさは関係ない。少しでも問題があれば動く。で、俺達に何して欲しい」
新たな仕事だと思った角都が一歩前に出た。
しかし、ゼツはけろっとした声色で「何して……って何もないよ」と答えた。
角都は険しい表情を見せる。