二人きりの誕生日イヴ
名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
――12月15日
この日、私はハンジさんとオニャンコポンと一緒にパラディ島の発展のため、視察に出ていた。
ウォール・マリアからローゼに続く鉄道の線路をどこに作るべきか。それにあたっての地質調査だ。
「パラディ島も雪が降るんですね」
オニャンコポンの一言で、ハンジさんと私は空を見上げる。先程までは曇り空だったが、静かに降り始めた雪は今年始めてだった。
「もうそんな時期か。忙しくて忘れていたよ」
ハンジさんは団長になって、連日働き詰めだ。今までの団長と違い、巨人相手ではなく人間を相手にしなければならない。
手本もない状態での手探り。
まだ巨人相手の方が楽だっただろう。
するとオニャンコポンが
「もうすぐクリスマスだなぁ……」
と独り言のように呟いた。聞き慣れない単語に私もハンジさんも、何それとオニャンコポンに聞いた。
「クリスマスですよ。知らないですか?」
「知らない」
「イエス・キリストの誕生日です」
……イエス・キリスト?
私とハンジさんが首を傾げると、オニャンコポンは少し驚いた顔をした後
「あ、でもそうか……あれはエルディアにはない文化か……」
と一人納得していた。
“エルディアにはない文化”
それを聞いて黙っているハンジさんではない。
「何それ! 詳しく!」
と詰め寄ったのは想像通りだ。
「パラディ島にはウォール教があるように、世界にも色々な宗教があるんですよ。その中でキリスト教ってのがありまして、イエス・キリストの奇跡を信じているんです。そのキリストが降誕したのがクリスマス……12月25日なんです」
12月25日、その日は偶然にもリヴァイの誕生日だ。
まさか世界にある信仰対象者と同じ誕生日とは……。
「その奇跡って何!?」
新しいことを知れて興奮冷めやらぬハンジさんに、オニャンコポンは丁寧に説明していた。
が、私にはあまり興味ない話だった。
ただ話の中でキリスト教が神の子だとか、救い主だとか出てきたために思わず
「じゃあリヴァイ教でも作るか……」
と私は呟いた。
「え? リヴァイ?」
まさか聞こえていると思っていなくて、反応を示したハンジさんに少し戸惑った。
「あ……いや……」
「何でリヴァイ? リヴァイ教って、面白いこと言うね!」
自分で言っておいてなんだが、何が面白いのかわからない。
「いや、なんかリヴァイって救世主じゃないですか。人類最強兵士と言われて……エルヴィン団長が連れてきてから調査兵団は希望を得たし」
「あー、言われてみれば確かにねー」
「12月25日誕生日だし、そのキリストと同じだなぁって」
神の子かもしれない、何てね。
「……え?」
この日、私はハンジさんとオニャンコポンと一緒にパラディ島の発展のため、視察に出ていた。
ウォール・マリアからローゼに続く鉄道の線路をどこに作るべきか。それにあたっての地質調査だ。
「パラディ島も雪が降るんですね」
オニャンコポンの一言で、ハンジさんと私は空を見上げる。先程までは曇り空だったが、静かに降り始めた雪は今年始めてだった。
「もうそんな時期か。忙しくて忘れていたよ」
ハンジさんは団長になって、連日働き詰めだ。今までの団長と違い、巨人相手ではなく人間を相手にしなければならない。
手本もない状態での手探り。
まだ巨人相手の方が楽だっただろう。
するとオニャンコポンが
「もうすぐクリスマスだなぁ……」
と独り言のように呟いた。聞き慣れない単語に私もハンジさんも、何それとオニャンコポンに聞いた。
「クリスマスですよ。知らないですか?」
「知らない」
「イエス・キリストの誕生日です」
……イエス・キリスト?
私とハンジさんが首を傾げると、オニャンコポンは少し驚いた顔をした後
「あ、でもそうか……あれはエルディアにはない文化か……」
と一人納得していた。
“エルディアにはない文化”
それを聞いて黙っているハンジさんではない。
「何それ! 詳しく!」
と詰め寄ったのは想像通りだ。
「パラディ島にはウォール教があるように、世界にも色々な宗教があるんですよ。その中でキリスト教ってのがありまして、イエス・キリストの奇跡を信じているんです。そのキリストが降誕したのがクリスマス……12月25日なんです」
12月25日、その日は偶然にもリヴァイの誕生日だ。
まさか世界にある信仰対象者と同じ誕生日とは……。
「その奇跡って何!?」
新しいことを知れて興奮冷めやらぬハンジさんに、オニャンコポンは丁寧に説明していた。
が、私にはあまり興味ない話だった。
ただ話の中でキリスト教が神の子だとか、救い主だとか出てきたために思わず
「じゃあリヴァイ教でも作るか……」
と私は呟いた。
「え? リヴァイ?」
まさか聞こえていると思っていなくて、反応を示したハンジさんに少し戸惑った。
「あ……いや……」
「何でリヴァイ? リヴァイ教って、面白いこと言うね!」
自分で言っておいてなんだが、何が面白いのかわからない。
「いや、なんかリヴァイって救世主じゃないですか。人類最強兵士と言われて……エルヴィン団長が連れてきてから調査兵団は希望を得たし」
「あー、言われてみれば確かにねー」
「12月25日誕生日だし、そのキリストと同じだなぁって」
神の子かもしれない、何てね。
「……え?」
1/9ページ