お返しに来ただけなのに仕事の話になった件
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かれこれ二十分くらいだ。団長室の机の前に立たされ、ハンジの話を聞かされている時間は。
いい加減にしてほしい、とマーラは思った。
そもそも団長命令で呼び出されれば断れない。別に不祥事を起こしたわけではないのに、なぜ自分は今こうして説教されているのだろうか。
「マーラ、私は思うんだ。君が海の向こうのことについて話すことが出来ることになった今、自ら語るべきではないかとね」
「……はぁ……」
「私が興味があることは知っているだろう? なぜ言わないのかな?」
「聞かれなかったので」
次の瞬間、ハンジは「それだよ!」と声を荒らげ椅子から立ち上がった。
「君には聞いて欲しいっていう欲はないのか!? 自分の知り得た情報! ついに誰にでも言える日が来たというのに!」
「いや、別にハンジさんじゃないんで。私は」
「調査兵団なら、いや兵団組織なら話すべきだ! 共有すればいつか役に立つ日が来るかもしれないというのに!」
「とはいってもですよ。全て父の日記に書かれていますし、それを経て皆さんからの質問にも答えたこともあったじゃないですか」
父親の日記を奪還作戦後に持ち帰り、兵団組織内で共有したのち。ザックレー総統と、ピクシス司令主導のもと開かれた質疑応答会。
そこでマーラは皆の知りたいことに回答をしたのである。
当然、父親からの話でしか聞いたことがないマーラが答えられることは限られてくるが、質問に対して知り得てる全てを話したつもりだった。
「だけど、君は言わなかったじゃないか。……二月と三月の十四日に行われるイベントを!」
ーーそう。ハンジが今回呼び出した本題はこれである。
一ヶ月前にも質問攻めにあったのに、今回の三月十四日も質問攻めに合うなんてマーラは想像してもいなかった。
「だって聞かれなかったので」
「でも私は毎回聞いてたよね。どこの文化なのって。私が知りたいものだと知ってたじゃないか」
「そうですけど、話しに来いとは言われなかたので」
そう告げると、ハンジははぁーと長い溜め息を吐いた。
「君はそういう子じゃなかったのに。最近リヴァイに似てきたんじゃないの?」
「……気のせいですよ」
実を言うとマーラの中で、聞かれなかったので答えなかったというのは半分くらいしかなかった。
もう半分は自ら言う勇気がなかったのである。
ハンジが知りたがっていることを誤魔化し続けてきた手前、本当のことを話に行ったらどんな目に合うか……。
そう考えて言えなかったのだが、結局同じことになってしまった。しかもかなりネチネチ言われる。
失敗したなとマーラは感じていた。
「まぁいい。では質問させてもらうよ。外の世界ではこの文化は当たり前に存在するの?」
「どうでしょう。父の育ったレベリオでは行われいたみたいですけど、その他の地域は知らないです。そもそも私も疑問に思ってます。マーレの文化なのか、エルディア人だけの文化なのか、詳しくは知りません」
「えー! 知らないの!?」
残念そうに肩を落とすハンジに、マーラは困ったように眉を下げた。
「私も皆さんと同じです。見たわけじゃない。聞いただけですから。しかも子供の頃なんで疑問に思うことのレベルが今よりは低いですから……」
「そっかぁ……そうだよねぇ……」
ハンジはその後、更に三十分くらい会話を続けた。
いい加減にしてほしい、とマーラは思った。
そもそも団長命令で呼び出されれば断れない。別に不祥事を起こしたわけではないのに、なぜ自分は今こうして説教されているのだろうか。
「マーラ、私は思うんだ。君が海の向こうのことについて話すことが出来ることになった今、自ら語るべきではないかとね」
「……はぁ……」
「私が興味があることは知っているだろう? なぜ言わないのかな?」
「聞かれなかったので」
次の瞬間、ハンジは「それだよ!」と声を荒らげ椅子から立ち上がった。
「君には聞いて欲しいっていう欲はないのか!? 自分の知り得た情報! ついに誰にでも言える日が来たというのに!」
「いや、別にハンジさんじゃないんで。私は」
「調査兵団なら、いや兵団組織なら話すべきだ! 共有すればいつか役に立つ日が来るかもしれないというのに!」
「とはいってもですよ。全て父の日記に書かれていますし、それを経て皆さんからの質問にも答えたこともあったじゃないですか」
父親の日記を奪還作戦後に持ち帰り、兵団組織内で共有したのち。ザックレー総統と、ピクシス司令主導のもと開かれた質疑応答会。
そこでマーラは皆の知りたいことに回答をしたのである。
当然、父親からの話でしか聞いたことがないマーラが答えられることは限られてくるが、質問に対して知り得てる全てを話したつもりだった。
「だけど、君は言わなかったじゃないか。……二月と三月の十四日に行われるイベントを!」
ーーそう。ハンジが今回呼び出した本題はこれである。
一ヶ月前にも質問攻めにあったのに、今回の三月十四日も質問攻めに合うなんてマーラは想像してもいなかった。
「だって聞かれなかったので」
「でも私は毎回聞いてたよね。どこの文化なのって。私が知りたいものだと知ってたじゃないか」
「そうですけど、話しに来いとは言われなかたので」
そう告げると、ハンジははぁーと長い溜め息を吐いた。
「君はそういう子じゃなかったのに。最近リヴァイに似てきたんじゃないの?」
「……気のせいですよ」
実を言うとマーラの中で、聞かれなかったので答えなかったというのは半分くらいしかなかった。
もう半分は自ら言う勇気がなかったのである。
ハンジが知りたがっていることを誤魔化し続けてきた手前、本当のことを話に行ったらどんな目に合うか……。
そう考えて言えなかったのだが、結局同じことになってしまった。しかもかなりネチネチ言われる。
失敗したなとマーラは感じていた。
「まぁいい。では質問させてもらうよ。外の世界ではこの文化は当たり前に存在するの?」
「どうでしょう。父の育ったレベリオでは行われいたみたいですけど、その他の地域は知らないです。そもそも私も疑問に思ってます。マーレの文化なのか、エルディア人だけの文化なのか、詳しくは知りません」
「えー! 知らないの!?」
残念そうに肩を落とすハンジに、マーラは困ったように眉を下げた。
「私も皆さんと同じです。見たわけじゃない。聞いただけですから。しかも子供の頃なんで疑問に思うことのレベルが今よりは低いですから……」
「そっかぁ……そうだよねぇ……」
ハンジはその後、更に三十分くらい会話を続けた。
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