嫉妬と葛藤のVD
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調査兵団本部の外には連日、多くの人が押し寄せていた。
「今日もたくさんの人が来ているねぇ……。大丈夫かな、あの子達」
部屋の窓からその様子を見て呟いたのは、数ヶ月前に調査兵団団長になったばかりのハンジであった。
「哀れむくれぇならてめぇが対応しやがれ。部下にやらすんじゃねぇよ」
部屋の入口付近で腕を組み、壁にもたれかかっていたリヴァイがそう告げる。
「哀れんでいるんじゃないよ。心配しているんだ。毎日毎日来る民衆の相手は疲れないかなって」
「同じだろうが。てめぇ……アルミンたちにいつまで対応させる気だ? 団長ならあいつらを追い返してもう来ないようにしやがれ」
「そんなことしたら民衆の好意を無下にするだろ? それにこれはあの子達、104期の皆が自らやるって言ってくれたことだしね」
ーー沢山の民衆から向けられる目は、調査兵団への希望へ満ちたものだった。
ウォール・マリア奪還作戦の直後からだった。この民衆の押し寄せる光景が始まったのは。
奪われた領土を奪い返した調査兵団は、民衆から称賛された。その結果、多くの民衆が調査兵団への贈り物を持って訪れるようになったのである。
あまりにも数が多く、何日もそれが続くためハンジが一度やんわりと止めるように伝えた。
しかしそれでもまだ多くの人が連日のように押しかけた。
ハンジも団長になり、忙しくなったためにどうしようか悩んでいたところにアルミンが「僕たちで対応します」と申し出てくれたのである。
「いつまで続くんだろうな」
うんざりだと言うようにリヴァイが呟いた。
「リヴァイ宛の贈り物もかなり多いよね。……熱烈なお嬢さんたちもいるようだし?」
「知らねぇやつから得体のしれねぇもんは受け取ってない。いらんものはあいつらにやってる」
「それ知ったらお嬢さんたち泣くね」
「知ったことかよ」
兵団全体宛に贈り物をくれる人がほとんどであるが、中には個人宛の民衆もいた。
特に人類最強と謳われるリヴァイと、人類の希望と言われるエレン宛の贈り物が多い。
エレンと同期のジャンは悔しがり、幼馴染のミカサはエレン宛の贈り物を全部チェックするという光景ももはや恒例となっていた。
リヴァイに関してはファンと名乗る集団が出来上がる程の人気ぶりである。
当の本人は少し嫌がっているが、人の好意を蔑ろにはしない質なのでますますファンはふえる一方であった。
ーー……‥‥
「団長、兵長。これなのですが」
押し寄せる民衆をさばき終えたアルミンとサシャが、今回の贈り物を持ってやってきた。
「お疲れ様。いつもすまないねぇ」
「いえ。あ、いつもの通り兵団宛の贈り物は倉庫に移して今ジャンたちが検品してます。……そして、これがお二人への贈り物です」
アルミンとサシャは抱えている贈り物の数々を床へおろした。
「今回もなかなかだねぇ」
「はい。こっちがハンジさん宛でこっちが兵長宛ですが……」
アルミンがちらっとリヴァイを見る。
「兵長は……いつもと同じでーー」
「紅茶はあるのか」
「いえ……今回はないです」
「なら全部やる」
相変わらずだね、という目でハンジがリヴァイを一瞥する。
対して、すかさず声を張り上げたのはサシャだった。
「今日もたくさんの人が来ているねぇ……。大丈夫かな、あの子達」
部屋の窓からその様子を見て呟いたのは、数ヶ月前に調査兵団団長になったばかりのハンジであった。
「哀れむくれぇならてめぇが対応しやがれ。部下にやらすんじゃねぇよ」
部屋の入口付近で腕を組み、壁にもたれかかっていたリヴァイがそう告げる。
「哀れんでいるんじゃないよ。心配しているんだ。毎日毎日来る民衆の相手は疲れないかなって」
「同じだろうが。てめぇ……アルミンたちにいつまで対応させる気だ? 団長ならあいつらを追い返してもう来ないようにしやがれ」
「そんなことしたら民衆の好意を無下にするだろ? それにこれはあの子達、104期の皆が自らやるって言ってくれたことだしね」
ーー沢山の民衆から向けられる目は、調査兵団への希望へ満ちたものだった。
ウォール・マリア奪還作戦の直後からだった。この民衆の押し寄せる光景が始まったのは。
奪われた領土を奪い返した調査兵団は、民衆から称賛された。その結果、多くの民衆が調査兵団への贈り物を持って訪れるようになったのである。
あまりにも数が多く、何日もそれが続くためハンジが一度やんわりと止めるように伝えた。
しかしそれでもまだ多くの人が連日のように押しかけた。
ハンジも団長になり、忙しくなったためにどうしようか悩んでいたところにアルミンが「僕たちで対応します」と申し出てくれたのである。
「いつまで続くんだろうな」
うんざりだと言うようにリヴァイが呟いた。
「リヴァイ宛の贈り物もかなり多いよね。……熱烈なお嬢さんたちもいるようだし?」
「知らねぇやつから得体のしれねぇもんは受け取ってない。いらんものはあいつらにやってる」
「それ知ったらお嬢さんたち泣くね」
「知ったことかよ」
兵団全体宛に贈り物をくれる人がほとんどであるが、中には個人宛の民衆もいた。
特に人類最強と謳われるリヴァイと、人類の希望と言われるエレン宛の贈り物が多い。
エレンと同期のジャンは悔しがり、幼馴染のミカサはエレン宛の贈り物を全部チェックするという光景ももはや恒例となっていた。
リヴァイに関してはファンと名乗る集団が出来上がる程の人気ぶりである。
当の本人は少し嫌がっているが、人の好意を蔑ろにはしない質なのでますますファンはふえる一方であった。
ーー……‥‥
「団長、兵長。これなのですが」
押し寄せる民衆をさばき終えたアルミンとサシャが、今回の贈り物を持ってやってきた。
「お疲れ様。いつもすまないねぇ」
「いえ。あ、いつもの通り兵団宛の贈り物は倉庫に移して今ジャンたちが検品してます。……そして、これがお二人への贈り物です」
アルミンとサシャは抱えている贈り物の数々を床へおろした。
「今回もなかなかだねぇ」
「はい。こっちがハンジさん宛でこっちが兵長宛ですが……」
アルミンがちらっとリヴァイを見る。
「兵長は……いつもと同じでーー」
「紅茶はあるのか」
「いえ……今回はないです」
「なら全部やる」
相変わらずだね、という目でハンジがリヴァイを一瞥する。
対して、すかさず声を張り上げたのはサシャだった。
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