見つめてくる〜私は憑く〜
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このお話は、以前にアップしている見つめてくるの憑いてる女視点です。
先に見つめてくるを読むのをおすすめします。
「何か、すっげー見られてる気がする」
一瞬、この私の存在に気付いたのかと思ってドキリとした。
尤も、私にドキリとする心臓なんてもうないのだけれど。
「何なんだよ……」
そう呟いた少年の目先は私の方を向いてはいなかった。
私がその視線の先を確認する前に、少年は目の前の友人に向き直る。
「エレンが珍しいんじゃない?」
「はぁ?」
「だって、ほら……巨人になれる人間なんて、人類にとって衝撃的な事実なわけだし」
「そんな視線じゃねぇよ、あれは。というか、俺が調査兵団に入ってもう数か月は経ってる。今更そんな目で見ねぇだろ」
「じゃあどういう視線なの?」
「ん……どうって……」
パンを食べながら少年が再び振り返る。私もその先を辿ると、一人の女性がそこにはいた。
しかし女性はすぐにハッとしたように目を逸らし席を立った。
「今、どこかへ行った女の人だろ? エレンが気になってるの」
「まぁ……。でも、今だけじゃないんだよ。ここ最近ずっとあの人に見られてる気がする」
「え? 気のせいじゃなくて?」
「いや、気のせいじゃねぇ。今みたいに目が合うとどっかへ行くし、なんつーか不気味な感じだ」
そう、最近あの女性をよく見かける気がする。でもそこに、私はある一つの可能性を感じ取っていた。
彼女はまるで私が視えているように反応を示す。確定ではないが、目が合う気がするのだ。
「俺を哀れむかのような……」
「巨人になれるエレンを哀れんでるってこと? あ、ごめん。その……普通とは違うことだし……」
「謝ることはねぇよ。俺は嘆いてるわけじゃないしな。けど、そんなんじゃないんだよ。あの視線は」
少年は自分自身が見られていると思っているようだけれど。
でも、私も気になってしょうがない。あの女性が私のことを認識しているならば、是非とも邪魔しないでいただきたい。
すると少年の友人が
「じゃあさ、もう直接聞きなよ」
と口にした。
「はぁ!? 嫌だよ!」
少年は驚いたように叫んだ。
「え、何で? 気になるんでしょ? 何で見るのかなんて本人以外知らないじゃない」
「いや、まぁそうだけどよ……」
躊躇っている少年に、友人は
「エレンらしくないね。君は気になることは聞くタイプかと思ったんだけど」
と追い打ちをかけ始める。
「あぁ、普通だったら聞く。けど、なんつーか……あの女は、な……」
「じゃあ僕も一緒に行くよ。これならどう?」
好奇心の塊のような彼らがもうあの女性に接触しないという選択を取らないわけがなかった。
私も気になってしょうがないの。彼女が一体何者なのか。それによっては――。
先に見つめてくるを読むのをおすすめします。
「何か、すっげー見られてる気がする」
一瞬、この私の存在に気付いたのかと思ってドキリとした。
尤も、私にドキリとする心臓なんてもうないのだけれど。
「何なんだよ……」
そう呟いた少年の目先は私の方を向いてはいなかった。
私がその視線の先を確認する前に、少年は目の前の友人に向き直る。
「エレンが珍しいんじゃない?」
「はぁ?」
「だって、ほら……巨人になれる人間なんて、人類にとって衝撃的な事実なわけだし」
「そんな視線じゃねぇよ、あれは。というか、俺が調査兵団に入ってもう数か月は経ってる。今更そんな目で見ねぇだろ」
「じゃあどういう視線なの?」
「ん……どうって……」
パンを食べながら少年が再び振り返る。私もその先を辿ると、一人の女性がそこにはいた。
しかし女性はすぐにハッとしたように目を逸らし席を立った。
「今、どこかへ行った女の人だろ? エレンが気になってるの」
「まぁ……。でも、今だけじゃないんだよ。ここ最近ずっとあの人に見られてる気がする」
「え? 気のせいじゃなくて?」
「いや、気のせいじゃねぇ。今みたいに目が合うとどっかへ行くし、なんつーか不気味な感じだ」
そう、最近あの女性をよく見かける気がする。でもそこに、私はある一つの可能性を感じ取っていた。
彼女はまるで私が視えているように反応を示す。確定ではないが、目が合う気がするのだ。
「俺を哀れむかのような……」
「巨人になれるエレンを哀れんでるってこと? あ、ごめん。その……普通とは違うことだし……」
「謝ることはねぇよ。俺は嘆いてるわけじゃないしな。けど、そんなんじゃないんだよ。あの視線は」
少年は自分自身が見られていると思っているようだけれど。
でも、私も気になってしょうがない。あの女性が私のことを認識しているならば、是非とも邪魔しないでいただきたい。
すると少年の友人が
「じゃあさ、もう直接聞きなよ」
と口にした。
「はぁ!? 嫌だよ!」
少年は驚いたように叫んだ。
「え、何で? 気になるんでしょ? 何で見るのかなんて本人以外知らないじゃない」
「いや、まぁそうだけどよ……」
躊躇っている少年に、友人は
「エレンらしくないね。君は気になることは聞くタイプかと思ったんだけど」
と追い打ちをかけ始める。
「あぁ、普通だったら聞く。けど、なんつーか……あの女は、な……」
「じゃあ僕も一緒に行くよ。これならどう?」
好奇心の塊のような彼らがもうあの女性に接触しないという選択を取らないわけがなかった。
私も気になってしょうがないの。彼女が一体何者なのか。それによっては――。
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