第七章
名前変換
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永倉新八という男が試衛館にやってきて、だいたい三月程経った。
雪がちらちらと降り始めて寒さが厳しくなっていく中でも、うちの連中は相変わらず元気だった。
「新八は本当に剣ばっかだよな」
道場の中で今は総司と山南さん、土方さんと近藤さんが打ち合っている。
原田さんと新八さん(名前で呼び合う中になったのは彼が来て割りとすぐだった)と平助は先程まで稽古をしていたが、今は休憩中のため雑談をしていた。
この三人、あっという間に仲良くなってよくつるんでいるのを見かける。
「確かに、しんぱっつぁんは剣と鍛錬の印象が強いよなー……他のことに興味ねぇの?」
私も休憩中ではあるが、この三人とはちょっと距離を置いて座っている状態だ。三人は、私と少し離れた左隣に輪を作って立ち話をしている。
しかし会話は丸聞こえである。
「他のことって言われてもなぁ……例えばどういうことだよ?」
「んー……例えば学問とか?」
平助の言葉に新八さんは「あー……」と微妙な声を出した。
「俺は机に向かうより体動かす方が向いてるんだよな。そりゃ、文学とか世の事とか知るのは嫌いじゃねぇ。むしろ好きなんだ」
「へぇー……」
「意外だな。新八、そういうのに興味あるのか」
私も初耳である。
「博識になるとよ、広い視野で物事が把握できてこの先どうすればいいのかどうしたいのかがが見えてくるもんだ」
「しんぱっつぁんって意外と頭偉かったりするの?」
「意外ってなんだよ! そりゃまだまだ知らねぇことは沢山あると思うが、それなりに色んなことを学んできたつもりはあるぜ!」
流石、武家の長男か。(本人から教えてもらった)
やっぱ小さい頃に色んなことを教えてもらっているのだろう。
しかし本当に意外だ。いつも体を動かして「今日も稽古だ!」とよく叫んでいるから、頭の方のことなど知らなかった。
「じゃあ、酒は?」
「酒は勿論好きだぜ! お前らはいける口なのか?」
「おぅ、酒がありゃ生きていけるって思ってるくらい酒は好きだ」
「左之さんは本当に酒が好きだからなー……俺も好きだけど、左之さんには負ける」
「おぉ! そりゃいつか一緒に飲みてぇもんだな!」
お金があまりない現状では、日々水かお茶である。酒が出るのは特別な日。
新八さんが来てからは一度もないなぁ。
「でも酒があれば女も欲しくなるよな」
女!?
思わず言葉を発した新八さんを見てしまった。
「新八、お前女好きか?」
「酌してくれる女がいてくれれば良いなって話だって。左之は女嫌いなのか?」
「いや、嫌いじゃねぇが。……まぁ、女が酌してくれるってんなら嬉しいもんだよな」
何故か原田さんと目が合う。向こうは一瞬驚いた顔をした。
私は慌てて顔を元に戻した。少し顔が熱くなるのを感じた。
雪がちらちらと降り始めて寒さが厳しくなっていく中でも、うちの連中は相変わらず元気だった。
「新八は本当に剣ばっかだよな」
道場の中で今は総司と山南さん、土方さんと近藤さんが打ち合っている。
原田さんと新八さん(名前で呼び合う中になったのは彼が来て割りとすぐだった)と平助は先程まで稽古をしていたが、今は休憩中のため雑談をしていた。
この三人、あっという間に仲良くなってよくつるんでいるのを見かける。
「確かに、しんぱっつぁんは剣と鍛錬の印象が強いよなー……他のことに興味ねぇの?」
私も休憩中ではあるが、この三人とはちょっと距離を置いて座っている状態だ。三人は、私と少し離れた左隣に輪を作って立ち話をしている。
しかし会話は丸聞こえである。
「他のことって言われてもなぁ……例えばどういうことだよ?」
「んー……例えば学問とか?」
平助の言葉に新八さんは「あー……」と微妙な声を出した。
「俺は机に向かうより体動かす方が向いてるんだよな。そりゃ、文学とか世の事とか知るのは嫌いじゃねぇ。むしろ好きなんだ」
「へぇー……」
「意外だな。新八、そういうのに興味あるのか」
私も初耳である。
「博識になるとよ、広い視野で物事が把握できてこの先どうすればいいのかどうしたいのかがが見えてくるもんだ」
「しんぱっつぁんって意外と頭偉かったりするの?」
「意外ってなんだよ! そりゃまだまだ知らねぇことは沢山あると思うが、それなりに色んなことを学んできたつもりはあるぜ!」
流石、武家の長男か。(本人から教えてもらった)
やっぱ小さい頃に色んなことを教えてもらっているのだろう。
しかし本当に意外だ。いつも体を動かして「今日も稽古だ!」とよく叫んでいるから、頭の方のことなど知らなかった。
「じゃあ、酒は?」
「酒は勿論好きだぜ! お前らはいける口なのか?」
「おぅ、酒がありゃ生きていけるって思ってるくらい酒は好きだ」
「左之さんは本当に酒が好きだからなー……俺も好きだけど、左之さんには負ける」
「おぉ! そりゃいつか一緒に飲みてぇもんだな!」
お金があまりない現状では、日々水かお茶である。酒が出るのは特別な日。
新八さんが来てからは一度もないなぁ。
「でも酒があれば女も欲しくなるよな」
女!?
思わず言葉を発した新八さんを見てしまった。
「新八、お前女好きか?」
「酌してくれる女がいてくれれば良いなって話だって。左之は女嫌いなのか?」
「いや、嫌いじゃねぇが。……まぁ、女が酌してくれるってんなら嬉しいもんだよな」
何故か原田さんと目が合う。向こうは一瞬驚いた顔をした。
私は慌てて顔を元に戻した。少し顔が熱くなるのを感じた。